研究課題/領域番号 |
20K09298
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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研究分担者 |
井上 岳人 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (30772652)
小濱 圭祐 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50595171)
東 英樹 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (20726509)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / エクオール / 女性ホルモン / 敗血症 / 臓器障害 / 性差 / NETs / 好中球 / 女性ホルモン類似物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は敗血症における好中球機能に女性ホルモン類似物質がどのように影響するのかを、好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps; NETs)に着目して検討する。NETsは生体の感染防御機構であるが、過剰な産生は敗血症における臓器障害の原因ともなる。研究期間中に、①女性ホルモン類似物質がNETsを促進するか、抑制するか、②性ホルモンは女性ホルモン類似物質によるNETsへの作用に競合作用や阻害作用を及ぼすか、③女性ホルモン類似物質を投与することでマウス敗血症モデルにおけるNETs由来の臓器障害にどのような影響を及ぼすか、を明らかにすることを目標としている。
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研究成果の概要 |
好中球細胞外トラップ(NET)の過剰発現は敗血症の臓器不全を引き起こす。本研究はヒト好中球(男性由来)のエンドトキシン誘導性NET形成をエクオール(大豆イソフラボン代謝産物)が抑制する可能性を明らかにした。血清エクオール濃度が低い男性由来の好中球では、エクオールはNET形成を有意に減少させたが、血清エクオール濃度が高い男性由来の好中球では、エクオールはNETを減少させなかった。好中球のGPR30発現は、エクオール高血清群よりも低血清群で高く、PAD4 mRNAレベルおよび核内PAD4タンパク質発現も、低血清エクオール群では低下した。エクオールは好中球の貪食能を変化させなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エクオールは既に更年期障害の緩和などで用いられるが、経口による健康食品としての効果が知られている。エクオールの利点としては、エストロゲン様抗炎症作用を持ち、かつ効果は一過性で速やかに排泄されることがある。敗血症などの病態で好中球機能の過活性は問題であるが、過剰な抑制も生体防御機構を弱めることになるため、一過性の効果が得られるエクオールが臓器障害の悪化に関与する好中球細胞外トラップ(NETs)を抑制できることは、敗血症における女性ホルモン類似物質によるNETs由来臓器障害抑制、という新しい治療アプローチを提示した。
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