研究課題/領域番号 |
20K09301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島田 忠長 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (40436423)
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研究分担者 |
中田 孝明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20375794)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 白色脂肪細胞 / 褐色脂肪細胞 / 病原体脂質 / HDL / Apo A2 / 皮下脂肪 / 内臓脂肪 / Sepsis / VLDLR / Cytokine / PCSK9 / Lipopolysaccharide |
研究開始時の研究の概要 |
一般的な脂肪細胞は、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類が存在し、それぞれ役割が異なることが報告されている。そして、2種類の脂肪細胞でのVLDLRを介したLPS取り込みと脂肪細胞の種類によるその差異に関しては明らかではない。 本研究では、脂肪細胞としてラットの培養白色脂肪細胞と培養褐色脂肪細胞の2種類を用いて、VLDLRを介したLPSの取り込みに関し実験する。次に、ヒト培養脂肪細胞を用い、皮下脂肪細胞と内臓脂肪細胞でLPSの取り込みを検討する。 本研究により、どの脂肪組織が病原体脂質を効率よく取り込んでいるのかを検討することで、敗血症における脂肪細胞の役割を明らかとする。
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研究成果の概要 |
ラット由来の白色脂肪細胞及び褐色脂肪細胞にlipopolysaccharide (LPS)を添加し、Very low density lipoprotein receptor (VLDLR)を介した病原体脂質の取り込み能を解析した。白色脂肪細胞に比して、褐色脂肪細胞ではLPSの取り込みはごくわずかであり、脂肪細胞の種類によってLPSの取り込みに違いがあることが判明した。 どの脂質が病原体脂質の解毒に深くかかわっているか検討するために、ヒトの敗血症患者検体において、敗血症の転帰とリポ蛋白・アポ蛋白の関連を調べた。その結果、病院死亡にはHDL、Apo A2が関連していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の実験結果から、褐色脂肪細胞はLPSの取り込み能がほぼ認められず、白色脂肪細胞ではLPSの取り込みが認められ、褐色脂肪と白色脂肪による違いは明確であると言える。現在、褐色脂肪とは白色脂肪におけるLPSの取り込み能に違いがあるという報告はないことから、今回の実験結果は新たな知見となる可能性が示唆された。 ヒト検体においてはVLDLではなくHDL、Apo A2が敗血症の転帰と関連していた。病原体脂質が脂質受容体を介して代謝される過程や経路に関しては不明な点が多い。HDLは病原体脂質の輸送にかかわるとされているが、れまでにアポ蛋白に注目した報告はなく、新たな知見といえる。
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