研究課題/領域番号 |
20K09403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新井 隆太 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40722509)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 転移性骨腫瘍 / 転移性潜在期 / 再発 / 骨内腫瘍細胞 / 再活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
転移性骨腫瘍の再発のメカニズムは十分に解明されていない。本研究の目的は①マウスモデルを用いて、骨内腫瘍細胞の生存、再活性化および増殖のメカニズムを解明すること②骨内腫瘍細胞の再活性化に対する骨粗鬆症薬の影響を調査することである。本研究は、マウスモデルを用いて、骨内において腫瘍細胞の分裂増殖が休止する期間があること、それは骨代謝の影響を受けうることの2点に着目して腫瘍細胞の再活性化と骨代謝の関連を調査する実験研究である。本研究により腫瘍細胞の再活性化のメカニズムが部分的に解明され、各骨粗鬆薬の関連が明らかになれば、転移性骨腫瘍の再発予防に寄与し、治療成績の向上に繋がる。
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研究成果の概要 |
早期癌切除後患者の数年間の経過観察のうちにしばしば転移性骨腫瘍は発生する。臨床におけるこのような現象、つまり原発巣と転移巣発生の時間的な隔たりは転移性潜伏期と呼ばれる。潜伏期腫瘍細胞の制御因子はこれまで不明であり、治療薬開発には至っていない。 我々は骨内非増殖期を有するマウスモデルを確立、潜伏期細胞株と早期癌切除検体の網羅的遺伝子解析を組み合わせた分子生物学的解析を行うことで、骨内潜伏期腫瘍細胞の制御因子の同定を行った。 制御因子のノックダウン細胞およびその関連経路に基づく新規骨転移予防薬を用いて転移性骨腫瘍の抑制、さらには原発巣検体において同定因子が予後不良因子であることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌による死亡の90%は転移に関連している。転移性腫瘍に対する予防として、遠隔臓器に播種後の、潜伏期における細胞の生存と再活性化のステップを標的とすることが効果的であると考えられている。しかしながら、骨における潜伏期腫瘍細胞の生存・再活性化メカニズムや制御因子は依然不明であり、治療薬開発には至っていない それに対し本研究では転移性骨腫瘍マウスモデルを確立、潜伏期腫瘍細胞細胞株を樹立し分子生物学的解析を行い、転移巣での制御因子の同定、その関連経路に基づく新規骨転移予防薬の確立を行った。 これにより、転移性腫瘍に対する新たな予防・治療戦略が開かれた。
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