研究課題/領域番号 |
20K09409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前 達雄 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (10569734)
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研究分担者 |
中田 研 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00283747)
大堀 智毅 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30869920)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 半月板 / 動態 / 縫合術 / 変位 / 荷重 / 圧センサー |
研究開始時の研究の概要 |
半月損傷はスポーツ活動や加齢により起こり、外科的治療の大半は切除術が施されているが、切除後は変形性関節症性変化が生じることが多数報告されており、半月板の機能温存可能な縫合術の成績向上は社会的重要課題である。その上で、垂直荷重に対し、損傷・修復半月板の荷重変化や関節間の圧変化、そして動態変化を総合的に評価することは治療法を確立する上で有意義と考える。そこで本研究は、1)半月板3次元動態の新しい評価方法の確立、及び2) 生理的な荷重環境である繰り返し垂直荷重・膝屈曲伸展運動を大腿骨―脛骨関節に行うことによる、損傷・修復半月板の荷重・動態、関節間圧の総合的評価法確立を目的としている。
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研究実績の概要 |
半月板は荷重分散、衝撃吸収、潤滑等の機能を有しており、膝関節における重要な役割を担っている。半月板の生体力学的研究は散見されるが、半月板単体の機能解析や膝関節における半月板の荷重分散や関節にかかる圧評価など、いずれも断片的な評価しかなされていなかった。一方で、損傷・修復半月板の荷重変化や関節間の圧変化、そして動態変化を総合的に評価することは治療法を確立する上で有意義と考える。そこで本研究は、1)半月板3次元動態の新しい評価方法の確立、及び2) 生理的な荷重環境である繰り返し垂直荷重・膝屈曲伸展運動を大腿骨―脛骨関節に行うことによる、損傷・修復半月板の荷重・動態、関節間圧の総合的評価法確立を目的としている。 我々は、膝関節の自然な運動を再現可能な生体力学試験用ロボットにブタ膝を装着し、膝屈曲伸展及び垂直荷重運動を行った際の半月板の動態をビデオカメラで撮影し、採取した画像からマーカーの動きを3次元計測するシステムの確立及び半月板縫合強度の力学試験を行なった。次に、我々は、ブタ膝より大腿骨―半月板―脛骨複合体を作製し、半月板に作製した縦断裂に縫合糸を通し、縫合糸を通す部位が異なることによる力学強度への影響を調べる実験系の確立に成功した。この実験系は、大腿骨―脛骨間に垂直荷重を負荷するものであったが、術後早期のリハビリプログラムを想定すると、荷重負荷よりは膝の運動負荷における影響を調べる必要があると考え、今年度は半月板縫合強度試験において、膝屈曲伸展運動負荷による影響を調べる研究を行い、屈曲伸展荷重による影響を調べるという新しい評価方法の確立を目指した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度より取り組んでいる半月板縫合術の新しい評価方法の確立をもとに、今年度は膝屈曲伸展運動に対する半月板縫合術を新しく評価する方法の確立に取り組んだ。 しかし、今年度は自身の異動のため、研究環境が変化し、予定を十分に達成できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
すでに確立した半月板縫合強度の評価方法は、縫合部を引っ張るものであり、非生理的であった。そこで、令和4年度からは、半月板縫合術における縫合強度を、より生理的に評価が可能な、屈曲伸展運動による評価方法を新たに確立した上で、縫合方法の違い(inside-out法及びall-inside法)を明らかにする予定である。
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