研究課題/領域番号 |
20K09417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
渡辺 雅彦 東海大学, 医学部, 教授 (40220925)
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研究分担者 |
加藤 裕幸 東海大学, 医学部, 准教授 (40348678)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 脊髄損傷2次障害 / 小胞体ストレス応答 / アポトーシス / GLP-1受容体作動薬 / 損傷脊髄 / オリゴデンドロサイト前駆細胞 / マクロファージ / 血液脳脊髄関門 / サイトカイン / 2次障害 |
研究開始時の研究の概要 |
損傷脊髄後の麻痺の軽減には、直接の外力による一次障害に引き続き起こる二次障害の抑制が重要である.二次障害の主体をなすアポトーシスは、増殖した再生に重要なオリゴデンドロサイト前駆細胞も障害する.われわれはアポトーシスの重要な経路として小胞体ストレス応答に着目し検討してきた.近年、糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬の小胞体ストレス保護作用が、また酸化ストレスの軽減、血糖の低下、細胞保護作用を有するM2マクロファージの増加等、脊髄損傷急性期治療に有用な効果が報告されている.GLP-1受容体作動薬は、有効な急性期脊髄損傷治療の選択枝となる可能性があり検討する.
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研究成果の概要 |
外傷性脊髄損傷における障害は二次障害により拡大するが、中枢神経では小胞体ストレスが重要である. GLP-1受容体作動薬は小胞体ストレス応答能の増強によるアポトーシス抑制効果が報告されており検討をおこなった.投与により損傷脊髄内でのGRP78の発現は亢進し、CHOPは抑制された.組織学的にも損傷範囲の軽減がみられ、高い有効性がみられた.また、抗炎症/組織修復に関与するM2マクロファージが有意に増加し、一方炎症/組織傷害に関連するM1では発現が減少する傾向がみられた.血液脳脊髄関門に対しても保護的な作用が確認でき、今後の臨床応用に希望がもてる結果であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷性脊髄損傷における障害は二次障害により拡大するが、その主体をなすのがアポトーシスであり、中枢神経では小胞体ストレスが重要な経路である.二次障害は損傷の拡大に加えて、再生のために誘導・増殖されたオリゴデンドロサイト前駆細胞の生存分化も障害し、再髄鞘形成を阻害する.すなわち損傷脊髄内でのグリア細胞のアポトーシス抑制が可能であれば、二次障害による損傷範囲拡大の軽減、再髄鞘形成による脊髄損傷後の麻痺の軽減へとつながる可能性がある.小胞体ストレス応答能増強効果が報告されているGLP-1受容体作動薬の効果を検討し良好な結果を得た.今後の臨床応用を目指したい.
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