研究課題/領域番号 |
20K09422
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
|
研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
佐藤 慎哉 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長・室長 (30464564)
|
研究分担者 |
比留間 徹 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 部長 (20254188)
星野 大輔 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 部長代理 (30571434)
鷲見 公太 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 医師 (30716733)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | adipo-oncology / 腫瘍関連脂肪細胞 / がん微小環境 / 骨転移 / 治療抵抗性 / 腫瘍免疫 / AI解析 / 骨髄脂肪細胞 / 脂肪細胞 / アディポカイン / 動物モデル / 分化誘導 / 癌微小環境 / がん-間質相互作用 / エクソソーム / マウス転移モデル / ホルモン / がん |
研究開始時の研究の概要 |
がんの骨転移は、骨痛や病的骨折を来し、患者さんのQOLを低下させる。骨転移したがんの治療のため、がんが骨内で増える仕組みを明らかにすることが重要である。 骨の中には脂肪細胞が豊富に存在するが、骨転移したがんに対する役割は明らかでない。本研究は、骨内の脂肪細胞の骨転移がんに対する役割の解明を目的とする。 目的を達成するため、①骨内の脂肪が増えると骨転移の頻度も増えるか②骨内の脂肪細胞が分泌する因子が、がん細胞を増やすか③骨転移したがん患者さんの骨内の脂肪細胞がどのような因子を分泌しているか、を検討する。本研究により、骨内の脂肪細胞を標的とした新規骨転移治療法につながる研究成果を得る事を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、骨転移巣における癌進展に対する脂肪細胞の役割を明らかにするため、その基盤的な研究を行った。まず癌と脂肪を含む病理画像のAI解析により、脂肪を含む組織が癌の存在に重要であることを示した。次に患者骨転移巣144例の病理組織解析を施行した。その結果、骨転移巣においては、骨髄脂肪の存在により癌浸潤先進部の癌関連線維芽細胞の密度上昇、CD8陽性リンパ球の密度低下を認めた。脂肪髄に転移した癌は、原発癌と比較し腫瘍免疫回避・薬物治療抵抗性関連遺伝子の発現が上昇していた。以上の結果を論文として報告した。これら知見のMOA取得のため、脂肪分泌因子の癌に対する役割を検討する細胞・動物実験系を樹立した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、骨転移巣において脂肪細胞が局所における癌の進展に寄与する可能性を示すことができた。また、そのメカニズムとして腫瘍免疫回避、腫瘍関連線維芽細胞の誘導が起きている可能性が示唆された。本研究結果は、脂肪細胞およびその分泌因子をがんの治療標的として認識する必要性を明らかにした点で学術的意義・社会的意義がある。
|