研究課題/領域番号 |
20K09459
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西尾 健資 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70303790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 軸索グリア複合体 / 再生的パイオニア軸索 / 白質再建 / 軸索再生 / 軸索断片 / 成熟ラット / 脊髄切断 |
研究開始時の研究の概要 |
成熟ラットの脊髄損傷の直後から損傷部に形成される軸索グリア複合体が軸索再生の障壁となっていることから、本研究では、その除去もしくは形成抑止に適したプロテアーゼ(投与法、投与量、タイミングも含め)を模索すること、さらに軸索グリア複合体を除去して損傷白質を再建することによって「白質経路の復元」が可能かどうかを検討し、また、損傷範囲の広い脊髄挫滅損傷に対しても「白質再建」を応用するための断端接合問題の克服法を検討する。
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研究成果の概要 |
研究代表者は成熟ラット脊髄切断後早期に再生を開始し、切断3時間以内に損傷部に達する「再生的パイオニア軸索」が存在することを発見した。一方、脊髄切断直後から損傷部に出現する「軸索グリア複合体」(軸索断片とグリア突起が凝集したもの)がそのパイオニア軸索の再生を阻害すると考え、外科的もしくは化学的にこの複合体を除去して早期に白質を再建したところ、パイオニア軸索が早期に損傷部を越えて再生した。本研究は新たな脊髄損傷の治療戦略の可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊髄損傷患者では、しばしば損傷後の麻痺は永続する。その主因として「損傷部を越える中枢神経軸索の再生は制限されている事」が挙げられる。即ち、神経軸索が損傷部を越えて再生できれば、損傷された神経ネットワークを再構築することができ、脊髄機能も回復できる。 本研究では、成熟ラットの脊髄切断モデルを用いて、切断後数時間という早期の変化に着目し、旺盛な再生能力を持つパイオニア軸索に対して、切断部に生じる早期の障害物を除去すれば、パイオニア軸索は切断部を超えて本来の白質経路を伸長できることを示した。この結果は脊髄損傷の新たな治療戦略を示した。
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