研究課題
基盤研究(C)
脊椎手術・人工関節手術・骨折手術・靭帯再建手術など、整形外科にはインプラントが不可欠な手術が多い。インプラントは、生体の立場からは異物であり、排除を受けず免疫寛容を促す必要がある。スクリュー等の骨内インプラントでは、ゆるみはインプラントの機能不全に直結する。ゆるみをきたさないためには、局所の骨吸収を抑制する必要がある。 ITAMとStat1の関連に関しては、破骨細胞分化並びに骨吸収制御においてはこれまでに知見がなく、新たな切り口に基づく骨吸収制御法の提案が可能になると期待できると考えている。
人工関節や骨接合プレートなど、様々な医療用インプラントが使用されている。こうした生体内留置インプラント、特に骨インプラントでは、その周囲に起こる骨吸収がゆるみ等の原因となるが、インプラント周囲の骨吸収のメカニズムは明らかになっていない。破骨細胞の分化を促進する因子として、macrophage colony stimulating factor (M-CSF)とreceptor activator of nuclear factor kappa B ligand (RANKL)に加え、Immuno-tyrosine based activation motif (ITAM)受容体を介した共刺激が重要であることが知られている。ITAM受容体のうち、Fc受容体 common gamma subunit(FcRγ)とDNAX-activating protein 12(DAP12)は破骨細胞分化に必須の役割を担うことが知られている。我々はDAP12とFcRγによるITAMシグナルは、破骨細胞と同じ起源を有する異物巨細胞の分化にも必須の役割を担うことを明らかにした。またcytotoxic T-lymphocyte antigen 4 (CTLA4)に対して共受容体であるCD80/86と結合することで競合阻害するCTLA4-Fcが、FcRγを介してM-CSFとRANKLによる破骨細胞分化を直接抑制することを見出した。CTLA4がFcRγと協調的な作用機構を有していることは過去に報告がなく、新たな知見である。さらに、破骨細胞分化を負に制御するシグナル分子であり転写因子でもあるsignal transducer and activator of transcription factor 1 (STAT1)も、破骨細胞分化制御の経路にある知見を得た。
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