研究課題/領域番号 |
20K09492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
遊道 和雄 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 教授 (60272928)
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研究分担者 |
藤井 亮爾 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (10333535)
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 准教授 (50434410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 変形性関節症 / 機械的ストレス / 細胞エネルギー / 核酸損傷修復酵素 / 細胞エネルギー代謝 / まかにかるストレス / メカニカルストレス / 軟骨 / 核酸 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、変形性関節症(OA)の発症・病態に密接に関わるメカニカルストレスに対する軟骨細胞の応答機構、特に未解明の「メカニカルストレスに対する軟骨防護機構」の役割を担う細胞内ストレス応答の分子メカニズムに着眼し、軟骨変性機序との関連について解明して新規治療法の糸口を得ることを目的とする。 本研究を通じて、軟骨変性の機序を、メカニカルストレス応答としての「軟骨細胞DNA損傷修復機構の変化」と「細胞エネルギー代謝(細胞呼吸鎖)調節因子・機構」の相互作用の観点から詳解し、OAの病因・病態解析および予防・治療法開発研究を推進したいと考えている。
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研究実績の概要 |
加齢、肥満、過荷重や関節のoveruseによる関節への過度のメカニカルストレスは、軟骨細胞の活性低下、軟骨コラーゲンなど基質の変性・破壊、軟骨下骨層の変性と関節機能障害を惹起し、変形性関節症)の病因病態に関与すると考えられている。しかし、軟骨細胞がメカニカルストレスをどのように感受して応答するか(ストレス感受・応答因子)、病的・過剰なメカニカルストレスに対して防御反応・機構はあるのか、さらに力ストレス感受・応答機構と軟骨変性機序との関連には未だ解明すべき点が多く、これらの解明は新規治療法開発につながると考え、一連の研究を進めてきた。本研究において、メカニカルストレスに応答する軟骨細胞のDNA損傷修復機構、軟骨細胞エネルギー代謝調節機構について研究を進めてきた結果、これらは密接に関連し、軟骨に対するメカニカルストレスに応答し、防御機構として働くも、外因性ストレスに抗しきれなくなり、相互の防御機能が低下すると軟骨変性が進行することを示唆する知見を得た。特に、これまでの研究成果として、メカニカルストレスに応答する軟骨細胞のDNA損傷修復機構と細胞エネルギー代謝(解糖系-クエン酸回路-電子伝達系)の調節因子の相互作用・ネットワーク、その相互作用を調整する候補因子を同定することができた。この知見を基に、軟骨のメカニカルストレス応答機構、防御機構ならびに軟骨変性の機序を解明して、治療法開発の基盤を確立していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メカニカルストレスに応答する軟骨細胞のDNA修復酵素活性とエネルギー代謝調節機構の相互作用(分子機構・調整因子)の詳解し、軟骨変性の予防・抑制法開発への応用の基礎となる研究を進めた。これまでに、メカニカルストレスに応答する軟骨細胞の「DNA損傷」、「DNA修復酵素 (APEX2, Ogg1) 活性」、「細胞エネルギー代」の変化、ならびに「これらに影響する因子」の分子機序を計画どおり解析して成果を得てきた。特に、DNA修復酵素活性とエネルギー代謝機構の相互作用については、その相関を調整する候補因子を解析することができた。その調整因子としての働きを確定するための再検証実験が一部未完となったが、概ね計画は順調に進展したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
DNA修復酵素活性とエネルギー代謝機構の相互作用の相関を調整する候補因子を解析することができ、その調整因子としても働きを確定するための再検証実験を完了させ、これらの成果を基礎とした治療実験をin vitroおよびin vivo実験系において進めていく。
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