研究課題/領域番号 |
20K09503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安藤 渉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい准教授 (40833687)
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研究分担者 |
菅野 伸彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (70273620)
高尾 正樹 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (30528253)
PEZZOTTI G. 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (70262962)
濱田 英敏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (90778705)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 特発性大腿骨頭壊死症 / 自己免疫疾患 / ラマン分光分析 / 疫学 / ラマン分光分析法 / 臨床個人調査票 / ラマン分光法 / マイクロCT |
研究開始時の研究の概要 |
自己免疫疾患の多くは国の指定難病で治療としてステロイド全身投与が行われる。一方、特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)も国の指定難病の一つであるが、その関連因子にステロイド投与があり、全ONFH患者中25%が自己免疫疾患後に発生する。 本研究では、自己免疫疾患発症後に続発したONFHについて、診療記録から、ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤投与歴、患者背景、放射線学的検査、血液検査、また、手術時に得られる大腿骨頭を用い、ラマン分光法による分子・結晶構造評価、マイクロCTによる骨形態学的評価、組織免疫学的評価を行い、これらデータを統合的に解析し、自己免疫疾患発症に伴うONFHの病態を解明する。
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研究成果の概要 |
特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)の病態に関連する因子として、ステロイドやアルコールなどがある。大腿骨頭のマイクロCT、ラマン分光分析による解析を行い、両者の差異を明らかにした。骨頭圧潰幅とQOLスコアとの関係を調査し、両者の関連を明らかとした。骨頭圧潰と解剖学的な因子について、寛骨臼の被覆率は骨頭圧潰とほとんど関係なく、LCEA低値と骨頭圧潰のリスクにわずかな関連があることを明らかにした。新規ONFH患者大規模疫学データ解析により、アルコール関連の割合は、性別に関わらず東京と沖縄が全国に比べ有意に多く、地域性があり、地域における飲酒量や遺伝的背景の差異が寄与する可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性大腿骨頭壊死症(ONFH) は国の指定難病であり、その病態は不明である。関連因子としてステロイド、アルコールがあるが、両者の差異を明らかにすることで、適切な診断に結び付く可能性がある。骨頭圧潰進行でQOL・疼痛の悪化が明らかとなり、骨頭圧潰の早期治療の重要性が再確認できた。骨頭圧潰と解剖学的因子との関連を調査し、矢状断での寛骨臼被覆は骨頭圧潰と無関係であり、手術介入が不要であることを明らかにした。また、疫学的解析により、アルコール関連ONFHの発生に地域における飲酒量や遺伝的背景の差異が寄与する可能性が明らかとなったので、その地域に在住する住民に対する啓蒙が必要であると考えられた。
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