研究課題/領域番号 |
20K09520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
重原 一慶 金沢大学, 附属病院, 講師 (20595459)
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研究分担者 |
川口 昌平 金沢大学, 附属病院, 助教 (30706883)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / 膀胱癌 / 性感染症 / 尿 / 前立腺癌 / 尿路感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、手術(経尿道的手術もしくは膀胱全摘出術)が必要な膀胱癌患者を対象に、尿検体を用いて尿路HPV感染率を調査する。さらに、半年毎に尿検体を用いてHPV検査を行うことによって、約3年程度の尿路HPV感染の自然史についても検討する。 また、手術にて採取した膀胱癌組織検体も用いてHPV検出率を調査し、尿路HPV検査の結果と比較することで、尿路HPV感染を認めた場合、果たして膀胱癌組織内にHPV感染が生じているか、またそのスクリーニングとして尿検体を用いることが妥当かについて追及する。さらにin situ hybridizationや免疫組織化学を用いてHPVと膀胱癌発生との関連性を調査する。
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研究成果の概要 |
膀胱癌201例から自然尿および膀胱洗浄液を採取し、各検体におけるHPVの有無を確認した。自然尿および洗浄液におけるHPVの検出率は、それぞれ9.5%および7.0%であり、型判定の結果は、両検体のHPV遺伝子型は全く一致していなかった。膀胱洗浄液検体を用いてISH法にて細胞診評価でHPV-DNAの存在部位を観察したところ、55.7%の検体において、HPVが尿路上皮細胞の核内に観察できた。次にパラフィン包埋組織検体を用いてISHを行ったところ、66.7%に症例で腫瘍組織内にHPV-DNAシグナルを確認できた。膀胱洗浄液で検出されたHPVが膀胱に由来することが多いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
男性にとって尿路はHPV感染の好発部位の1つである。近年、膀胱癌とHPV感染との関連性についても議論されるようになったが、膀胱のHPV感染の状況は不明である。その理由として膀胱のHPV感染を調べるためには、麻酔科で膀胱粘膜の採取が必要であり、検体採取に侵襲性を伴うからと思われる。膀胱のHPV感染を調べるためには侵襲性の少ない検体採取法の開発が望まれる。本検討では、膀胱洗浄液が膀胱内HPV感染を反映していることを初めて立証した。膀胱洗浄液を用いることで、定期的に膀胱内HPV感染の状況を調査することが可能となり、膀胱HPV感染の自然史の解明に寄与することが期待できる。
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