研究課題/領域番号 |
20K09528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
光成 健輔 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (70866657)
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研究分担者 |
大庭 康司郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20593825)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 腎癌 / 免疫複合体 / イムノコンプレキソーム解析法 / 尿中バイオマーカー / KIBRA / Immuno-Oncology drug |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的治療薬とImmuno-Oncology drugの登場で腎癌の治療戦略は大きく変化した。その結果、進行性腎癌患者の予後は改善した一方で治療効果の予測が重要な課題となっている。本研究ではイムノコンプレキソーム(IC)解析法を用いて、腎癌治療における効果予測モデル構築に関する議論に有益な情報を提供する。具体的には動物モデルと腎癌患者の検体(組織、血液、尿)でIC 解析を行い、それぞれから検出された病態特異的因子と臨床病理学的特徴や抗腫瘍効果、予後との関連を解析し、最終的に、組織型なども含む多変量解析により、新たな腎癌の病態関連因子と逐次交換療法にも対応した治療効果予測因子を同定する。
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研究成果の概要 |
腎癌の標準治療は、分子標的薬と新規免疫治療薬である。これらの逐次療法により腫瘍における血管新生と免疫反応は複雑となるため、治療効果予測モデルが重要となる。まずイムノコンプレキソーム解析法を使用し、膀胱癌においてセルロプラスミンが潜在的な尿中バイオマーカーであることを報告した。同様に腎癌の尿中バイオマーカーを同定中であるが、予備実験において腎癌および上部尿路癌においてKIBRAが癌細胞増殖を抑制することを証明した。さらに下大静脈腫瘍塞栓を伴う腎癌にも着目し、臨床的な予後因子を報告した。術後補助療法においても本研究で同定予定であるバイオマーカーを用いることで最適な治療を選択できると考えている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進行性腎癌の予後は分子標的薬と新規免疫治療薬の登場により改善してきた一方で、薬剤の種類も多く、また治療薬の順序も複雑となっていることが課題である。また、これらの薬剤は非常に高価であるため、適切な治療選択および最適な順序で治療が提供できない場合、医療費も増えていく。今回の研究で用いた解析法で尿中バイオマーカーの同定が可能であり、すでに予備実験においてKIBRAが腎癌の潜在的な予測因子であることを証明した。これらの治療効果予測因子により、適切なタイミングで最適な治療薬を選択でき、患者さんへのメリットのみならず、治療効果に乏しい薬剤を回避することで医療費削減につながり医療経済の側面からも有用である。
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