研究課題/領域番号 |
20K09547
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
中山 哲成 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40816112)
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研究分担者 |
井手 久満 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00301383)
武田 朱公 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (50784708)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 認知症 / 認知機能 / アンドロゲン除去療法 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌に対して、新規抗アンドロゲン剤を含むホルモン療法や抗がん剤の開発は生存率に大きく貢献している。しかし、これら治療法の発展はアンドロゲン除去による副作用により、患者のQOLを大きく損ねる側面もある。現在、視線検出技術を用いた低侵襲かつ簡便な高次脳機能障害診断技術が開発中で、約3分間で認知機能が客観的かつ定量的に評価可能になってきている。今回、認知機能を評価する本新規技術を活用し、アンドロゲン除去療法における高次脳機能への影響を経時的に解析し評価する。さらにvirtual realityを用いた各種リハビリテーションや薬剤の介入による認知機能低下の予防戦略立脚を目指す。
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研究実績の概要 |
視線検出技術を利用し、眼球運動や認知機能を評価するための映像を見ている間の披検者の視線の動きを定量的に評価することで、低侵襲かつ簡便な高次脳機能障害の診断法が確立されている。前立腺癌に対して、ホルモン療法を行われた患者を対象にしている。個別症例の検査方法としては、視線検出用赤外線カメラが搭載されたモニターに映し出される映像を数分間被検者に眺めてもらい、その間の視線の動きを定量的に追跡する。映像は幾何学模様や人物が映し出され、被検者がどこを見ているかを評価することで記憶力や注意力、空間認知機能を評価した。視線検出カメラは赤外線によって被検者の瞳孔の位置をモニターしており、被検者の頭部の固定などは一切必要ない。治療の前後、経過期間における視線の動きの障害(眼球運動の速度の低下、注視点の偏り、記憶タスクにおける障害など)の程度を定量化し、被検者の認知機能との相関などを調べた。現在エントリーが終了し、詳細な解析を共同研究者と施行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では前立腺癌という担癌状態において、視線検出技術を用いた低侵襲かつ簡便な高次脳機能障害診断技術を用い認知機能を評価した。また、テストステロンの高度な減少をもたらすアンドロゲン除去療法が、これら担癌患者にさらなる認知障害の悪化を引き起こすか検証する。現在までに倫理委員会に承認を得た患者さんのエントリーは終了し、治療経過における評価も終了している。現在、視線検出による影響を共同研究者に依頼し、解析途中である。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者を対象とした認知症の予防対策の中で運動介入プログラムは比較的低コストで、実施可能であり、短期間で効果を得ることが期待できることから、認知症予防の中核を果たす可能性を持っている。前立腺癌患者においても、運動が身体的、精神的な改善をもたらすことは知られており、例えば前立腺癌の放射線療法中にエアロビクスなどの運動療法を行うことは、患者の放射線治療による全身倦怠感が軽減し、QOLが改善する。また、瞑想はα波を出し、心身のリラックス効果、不安軽減、認知機能の改善効果が知られている。今後、治療介入が認知機能に及ぼす影響を視線追跡技術を用いてプレリミニナリーに検討する。
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