研究課題/領域番号 |
20K09579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢津田 旬二 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 講師 (20749626)
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研究分担者 |
神波 大己 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20402836)
菰原 義弘 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40449921)
杉山 豊 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (40709292)
元島 崇信 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (60726355)
村上 洋嗣 熊本大学, 病院, 助教 (70735703)
倉橋 竜磨 熊本大学, 病院, 助教 (80867945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / マクロファージ / CD169 / ナリンジン / 免疫チェックポイント阻害剤 / CD169陽性リンパ洞性マクロファージ / CD8陽性リンパ球 / がん免疫療法 / 抗原提示 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫サイクルにおいてリンパ節はがん組織から流入したがん抗原を抗原提示する場である。リンパ節には樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞が多数存在している。我々は近年、膀胱癌においてリンパ節に存在するマクロファージが抗原提示に関わっている可能性を発表した。本研究では、これまでの研究を更に発展させ以下の研究を遂行する。1) マウスモデルを用いたリンパ節マクロファージの重要性を証明する。2) マクロファージの抗原提示能を増強させる化合物スクリーニングを行い、マウス膀胱癌モデルでの抗腫瘍効果を確認する。
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研究成果の概要 |
本研究では免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の抗腫瘍効果におけるCD169陽性リンパ節マクロファージの機能的役割をCD169-DTRマウスを用いて検証した。CD169陽性細胞を欠損させると、ICIの抗腫瘍効果が消失したことから、ICIによる抗腫瘍作用にはCD169陽性リンパ節マクロファージが重要な役割を担っていることを明らかにした。次に、CD169陽性リンパ節マクロファージを誘導するナリンジンは腫瘍免疫の活性化することで抗腫瘍効果を発揮した。さらに、ICI単剤では抗腫瘍効果の乏しかった膀胱癌移植モデルにおいても、ナリンジンとの併用がICIの抗腫瘍効果を増強することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は膀胱癌のリンパ節における腫瘍免疫に着目し、リンパ節洞にてCD169陽性マクロファージの活性化を誘導する天然化合物であるナリンジンが腫瘍免疫を賦活化することでがん治療に有効である可能性を明らかにした。ゆえに、本研究成果は、リンパ節洞におけるCD169陽性マクロファージを標的とした治療法が腫瘍免疫を賦活化することで膀胱癌に対して有効であることを明らかにすると共に、既存の免疫チェックポイント阻害剤の治療成績を向上させる可能性も明らかにしたことから、膀胱癌に対する新たな治療戦略の一助となるものと考えられる。
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