研究課題/領域番号 |
20K09605
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
西辻 和親 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40532768)
|
研究分担者 |
池崎 みどり 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40549747)
岩橋 尚幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50750907)
井箟 一彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60303640)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | アミロイドβ / アミロイド / 胎盤 / 胎盤形成不全 / シンシチウム化 / 絨毛外栄養膜細胞 / 細胞性栄養膜細胞 / 合胞体性栄養膜細胞 / 妊娠高血圧腎症 / アミロイドーシス / Aβ / アルツハイマー病 / トロホブラスト |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症(Preeclampsia:PE)は高血圧・蛋白尿を主病態とする母児の予後に大きな影響を与える重篤疾患の一つである。PEに対する確実な治療は妊娠の終了しかないため、新規治療法の開発が急務である。アミロイドβ(Aβ)は元々アルツハイマー病患者脳で沈着が見られるペプチドであるが、PE患者の胎盤においても沈着することが研究代表者らにより確認されている。しかしながら、Aβ沈着がどのようにPEに関与するのか、その分子機能については全く分かっていない。本研究はAβアミロイドーシスとしてのPEの新たな側面からの病態解明および新たな治療法確立の基盤を構築するを目的として行うものである。
|
研究成果の概要 |
妊娠高血圧腎症(PE)は高血圧・蛋白尿を主病態とする母児の予後に大きな影響を与える重篤疾患の一つである。PEの確実な治療は妊娠の終了であるため、新しい治療法の開発が急務である。本研究では、アルツハイマー病患者脳で老人斑として沈着するアミロイドβが、胎盤においてどのような生理機能および病理形態を持ち得るについて解析を行った。その結果、胎盤形成期のでは絨毛外栄養膜細胞(EVT)が産生するAβ単量体はEVTの浸潤を促進する生理的な機能を持つこと、一方で凝集、沈着したAβアミロイド線維は細胞性栄養膜細胞(CTB)の合胞体性栄養膜細胞(STB)への分化を抑制する病態的役割を果たすことが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PEと胎盤形成不全は密接に関連するため、新たな視点からの胎盤形成の分子機構解明が必要であった。本研究から、胎盤形成期においてEVTが母体脱落膜、筋層に浸潤する際には、Aβ単量体はEVTの浸潤/遊走を促進する生理的な機能を持つ一方、PE胎盤においては、Aβアミロイド線維はCTBのSTBへのシンシチウム化を抑制し、胎盤形成不全に繋がる病態的役割を果たすことが分かった。したがって、本研究結果は胎盤におけるAβ沈着を標的とした胎盤形成不全の新たな治療法確立の基盤構築に繋がるものである。また、本研究結果は神経変性疾患を含む様々なタンパク質凝集体が関連する疾患の分子病態の理解に寄与することが期待される。
|