研究課題/領域番号 |
20K09629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
赤堀 太一 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90573171)
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研究分担者 |
高井 泰 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60323549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 卵子幹細胞 / 再生医療 / 生殖補助医療技術 / 生殖幹細胞 / 妊孕性温存療法 / 不妊症 / がん生殖医療 |
研究開始時の研究の概要 |
人口減少が大きな問題となっている我が国において、生殖医療技術の革新は喫緊の課題である。幹細胞を用いた再生医療技術が我が国でも盛んに研究されているが、生殖医療分野においては、自己の幹細胞を用いた医療技術が求められる。卵子幹細胞は、卵巣組織中に少数存在する雌性生殖幹細胞と考えられているが、卵子幹細胞を受精可能な成熟卵子へ分化誘導する技術は確立されていない。本研究では、卵子幹細胞の微小環境を構築することにより、効率的な成熟卵子の分化誘導法を開発することを目標とする。この技術により、完全に自己組織由来の成熟卵子を、任意に採取できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究は卵巣から抽出した卵子幹細胞、顆粒膜前駆細胞から人工卵巣組織を体外で構築する。この人工卵巣を用いて、卵子幹細胞に最適な微小環境を構築し生理的な卵子の分化誘導を行う。これらの細胞を3次元培養し、人工卵巣を構築する。ウシ卵巣から抽出された卵子幹細胞および支持細胞である顆粒膜細胞の機能確認のために、培養細胞のPCR法による遺伝子発現の確認および、培養細胞の免疫蛍光染色による機能評価を行なった。卵巣組織から分離し、樹立した細胞の精度管理のための最適な条件を設定した。これにより、安定して目的の細胞を分離培養する事ができるようになり人工卵巣を用いた卵子幹細胞の分化誘導実験を行う準備が整っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖医療の治療成績は最近10年間ほぼ横ばいであり、新たな技術革新が必要である。申請者は、卵巣皮質内に少数存在する卵子への分化能をもつ卵子幹細胞の分離培養法を報告した。申請者は卵巣皮質から顆粒膜前駆細胞様細胞を分離培養できることを確認した。本研究では、これらの細胞を用いて、自己の卵巣組織由来の人工卵巣組織を体外で構築し、卵子幹細胞から受精可能な成熟卵子を誘導する。この技術により、従来よりも患者への負担が少なく効率の良い生殖医療技術を若年性悪性腫瘍患者や高度不妊症患者へ提供することができる。さらに、この新たな生殖医療技術は人口減少が切実な問題となっている本邦の未来に光明をもたらすことが期待できる。
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