研究課題/領域番号 |
20K09644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉本 潤 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (10315476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | サプレシン / 内在性レトロウイルス / 細胞融合抑制 / 胎盤トロホブラスト細胞 / 妊娠高血圧腎症 / 胎児発育不全 / ダウン症候群 / suppressyn / HERV / trophoblast / cell fusion / 胎盤 / 細胞融合 / 妊娠高血圧症候群 / trophoblsat / 妊娠高血圧症候群(HDP) |
研究開始時の研究の概要 |
細胞融合を抑制する新規タンパク・サプレシン(suppressyn)は、胎盤特異的発現とその機能から、合胞体形成を伴う胎盤形成維持に重要な役割を持つと考えられる。本研究では、サプレシンタンパクの機能異常が、胎盤形成不全を伴う疾患発症に関わる可能性を検証する。具体的には、妊娠の成立期で機能異常が示唆される不育症・不妊症、さらに胎盤形成初期の異常が疑われる妊娠高血圧症候群・胎児発育不全の発症原因としてのサプレシンタンパクの関与を明らかにする。解析結果によっては、診断、治療への新たな手法の開発が期待されることから、本研究は産婦人科領域にとって重要な研究課題であると考える。
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研究成果の概要 |
サプレシン (Suppressyn)は胎盤トロホブラスト細胞における細胞融合を抑制的に調節する。本研究では、胎盤形成異常を伴う周産期疾患発症原因タンパクとしてのサプレシンの可能性を明らかにしようと考えた。妊娠高血圧腎症の患者由来胎盤組織を用いてサプレシンタンパクの発現解析を行った結果、発現が有意に低下していることが明らかとなった。さらに胎児発育不全を伴う患者の母体血をサプレシン特異的なELISAアッセイ法を用いて解析した結果、サプレシンは正常妊婦に比べ母体血中で有意に濃度が低下していた。このことから、サプレシンタンパクの発現低下が妊娠高血圧腎症、胎児発育不全の発症に関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、妊娠高血圧腎症、胎児発育不全という胎盤形成異常を伴う疾患では、共通してサプレシンタンパクの発現が変化していることが明らかとなった。このことは、胎盤形成に深く関わるサプレシンが、胎盤形成異常を通して、疾患発症に関与する可能性を示唆している。今後、これら周産期疾患の発症原因タンパクとしての解析を遂行することで、発症メカニズムの解明、治療法の開発に貢献する可能性がある。また我々が開発したサプレシン特異的なELISAアッセイ法は、トロホブラストの形成異常を伴う周産期疾患の発症予知、診断に応用可能な新しい検出法になると期待された。
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