研究課題/領域番号 |
20K09652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 佑介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (10439763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 卵巣癌 / ドラッグリポジショニング / スタチン / 奏効予測マーカー / VDAC1遺伝子 / LDLRAP1遺伝子 / 細胞増殖抑制 / HDRA |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌に対する最近の分子標的薬や抗体医薬の登場も卵巣癌全体の予後を大きく改善させるまでは至っておらず、更なる治療薬の開発、加えて治療から予防へのパラダイムシフトが求められている。本研究ではスタチン製剤をドラッグリポジショニングにより卵巣癌へ臨床応用することを見据えて、臨床検体を用いたプライマリーでの奏効確認とその奏効に影響する卵巣癌の臨床病理・分子生物学的特性を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
脂質異常症治療薬スタチンを卵巣癌の治療薬として応用するべく、臨床導入を見据えた基礎的研究を行なった。スタチンは既存卵巣癌細胞株において細胞増殖抑制効果を示し, 特に漿液性癌と明細胞癌細胞株でスタチンが奏効していた。また、マイクロアレイ解析をかけて遺伝子発現とスタチン投与による細胞生存率からピアソンの積率相関係数を算出し、VDAC1 および LDLRAP1遺伝子発現がスタチン奏効の予測マーカーとなることを明らかとした。さらに、臨床検体でのスタチン奏効を増殖抑制率より検討すると、特に漿液性癌と明細胞癌症例に奏効しており、卵巣癌標準治療薬剤と比較しても同等の増殖抑制率を示している症例も認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂質異常症治療薬スタチンの抗腫瘍効果は様々な癌種で報告されており今後の臨床への還元が期待されているものの、他癌種での臨床試験では奏効予測に基づく症例選択が出来ていないため有望な結果が得られていないのが現状である。卵巣癌に対しては本研究において樹立したバイオマーカーVDAC1やLDLRAP1によるコンパニオン診断でスタチン製剤の奏効を期待できる症例を選択することができる。今後は奏効を確認した漿液性癌症例と明細胞癌症例を対象に、既発症症例の維持療法もしくは卵巣癌ハイリスク症例の予防薬として用いることや標準治療薬への上乗せを検証する臨床試験の実施が期待される。
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