研究課題/領域番号 |
20K09694
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小森 正博 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (30565742)
|
研究分担者 |
兵頭 政光 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00181123)
仲 哲治 岩手医科大学, 医学部, 教授 (30303936)
世良田 聡 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 准教授 (50463302)
梶山 泰平 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (60807931)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 癌遺伝子治療 / 頭頸部癌 / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部扁平上皮癌では、DNA転写因子の一つであるSTAT3の活性型(pSTAT3)強陽性例で予後が不良になる。また、放射線療法や化学療法にてpSTAT3の発現が増強される。近年、STAT3の活性化を選択的に抑制できるSOCS1アデノウィルスベクター(AdSOCS1)が開発された。本研究では、in vitro・in vivoモデル或いは臨床検体を用いて、①頭頸部扁平上皮癌におけるAdSOCS1の治療効果と作用機序、②pSTAT3とアデノウイルス受容体の発生部位や進行度合による相違、③放射線療法や化学療法によるpSTAT3の発現増強の有無とそれに対するAdSOCS1の抑制効果を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
Suppressor of cytokine signaling (SOCS)1はJAK-STAT伝達経路を介して、細胞増殖や分化の抑制に関与する。我々は、中咽頭がん細胞Detoroit-562と舌がん細胞SCC-9を用いて頭頸部扁平上皮がんにおけるSOCS1アデノウイルスベクターの効果について検討した。SCC-9において、AdSOCS1がJAK/STATシグナル経路とMEKシグナル経路を通して、細胞増殖抑制とアポトーシス促進へ作用していることが示唆された。Detroit-562においては、細胞増殖抑制とアポトーシス促進により抗腫瘍効果を示したが、その機序は明らかにできなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1998年世界初の癌遺伝子治療がP53遺伝子をターゲットに行われた。P53の性質に合致して局所腫瘍は縮小したが、転移を制御できなかった。一方、アデノウイルスベクターの安全性も示された。SOCS1がブロックするSTAT3はシグナル伝達においてP53より末梢にあり、細胞増殖だけでなく、転移や血管新生、免疫にも関与すると報告される。故に、AdSOCS1の有効性をin vitro, in vivoで示すことは、将来のヒトに対する遺伝子治療による治験を行う上で重要な基礎データとなり、将来の癌治療の進歩に貢献できると考える。
|