研究課題/領域番号 |
20K09749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40334370)
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研究分担者 |
菊田 周 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00555865)
有田 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (80292952)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 嗅神経上皮 / 再生 / 炎症性メディエーター / 脂質 / 嗅神経 / 抗炎症性メディエーター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は嗅神経上皮の傷害・再生過程における組織炎症の誘発と収束が嗅神経細胞の細胞動態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。特に各種の起炎性・抗炎症性メディエーターに着目し、メディエーター分子の実験的制御や遺伝子改変動物を当科で確立した嗅神経傷害モデル、嗅粘膜の組織解析、分子生物学的解析、機能イメージングと組み合わせて嗅覚機能を多面的に解析する。これらを通じて嗅神経上皮の恒常性維持にかかわる分子メカニズムをさらに明らかにするとともに、炎症の収束を人為的に制御することによる新しい神経性嗅覚障害の治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
好酸球性副鼻腔炎モデルマウス、ウィルス性嗅覚障害モデルマウスを作成して嗅覚組織を解析し、炎症細胞浸潤および炎症性サイトカイン増加が嗅粘膜および嗅球にて疾患特異的な時間的空間的様式で生じていることが示された。また新型コロナウィルス感染モデルをハムスターを用いて作成し、嗅粘膜のみならず嗅球から海馬に至る嗅覚中枢伝導路にも炎症が惹起されていることが示された。さらに体内のオメガ3脂肪酸濃度が高く維持されているFAT1マウスの嗅粘膜の遺伝子発現の網羅的解析を行い、FAT1マウスでは傷害後の再生期に嗅覚受容体の発現が高いことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物モデルを用いた本研究の結果は、嗅覚障害に病態特異的な時間的空間的様式で炎症細胞浸潤や炎症性メディエーター増加が関わっていることを示している。従って、ヒトで生じる嗅覚障害の様々な疾患にも同様のプロセスが関与していることが示唆される。嗅覚障害の病態解析に関する研究は国際的にも取り組みが少ないため、本研究で示された解析結果は今後のヒトにおける嗅覚障害の病態研究や治療法の開発の基盤データとなることが期待される。
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