研究課題/領域番号 |
20K09754
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
戸嶋 一郎 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80567347)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 17,18-EpETE / 17,18-diHETE / ILC2 / IL-33 / eosinophil / airway epithelial cells / TNF-α / neutrophil / 好中球 / MUC5AC / LPS / 気道上皮細胞 / IL-6 / IL-8 / アレルギー性鼻炎 / 好酸球性副鼻腔炎 / 好中球性炎症 / エイコサペンタエン酸 / 粘液産生 |
研究開始時の研究の概要 |
上気道の「アレルギー(好酸球性)炎症」と「好中球性炎症」に対する17,18-EpETEとRvE1の抗炎症作用を検討する。培養細胞としてヒト気道上皮細胞、ヒトILC2、鼻茸由来線維芽細胞を用い、IL-33やアルテルナリア、LPSなどを点鼻して作成したマウスモデルを用いて検討する。またそれぞれの受容体にも着目し、免疫組織化学染色やRT-PCR法などを用いて抗炎症作用をもたらす細胞内分子機構の解明を行う。
|
研究成果の概要 |
17,18-EpETEやその代謝物17,18-diHETEは、IL-33刺激による培養ヒトILC2からのIL-5/IL-13産生を抑制し、その作用はGPR40やPPARγを介してGATA-3を抑制していた。17,18-EpETEや17,18-diHETEの点鼻投与は、IL-33で刺激したマウス鼻粘膜への好酸球浸潤や粘液産生を抑制し、肺やBAL中のIL-5/IL-13産生も抑制した。 17,18-EpETEは、TNF-α刺激による培養ヒト気管支上皮細胞からのIL-6/IL-8/MUC5AC産生を抑制した。17,18-EpETEの点鼻/腹腔内投与は、マウス鼻粘膜への好中球性炎症も抑制した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
17,18-EpETEやその代謝物17,18-diHETEは、ヒト生体内で合成される脂質代謝物であるため、安全な治療手段となる可能性を秘めている。今回のわれわれの結果から、17,18-EpETEや17,18-diHETEはIL-33で刺激したヒトILC2からの2型サイトカイン産生を抑制し、これらの点鼻投与はマウスの上気道好酸球炎症を抑制した。またTNF-αで刺激したヒト気管支上皮細胞からの炎症性メディエーターの産生も抑制し、マウスの上気道好中球性炎症に対しても抑制作用を示した。17,18-EpETEは、好酸球性鼻副鼻腔炎や好中球性の上気道炎症などに対する安全な新規治療法となる可能性がある。
|