研究課題/領域番号 |
20K09768
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高村 佳弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00283193)
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研究分担者 |
稲谷 大 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40335245)
沖 昌也 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (60420626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 虚血 / サイトカイン / VEGF / 血管内皮細胞 / 糖尿病黄斑浮腫 / 虚血性網膜疾患 / エピジェネティック |
研究開始時の研究の概要 |
網膜血管閉塞を伴う虚血性眼疾患においては、VEGFなどのサイトカインを抑制する薬物療法が有効だが、その治療効果は患者間で大きく異なる。我々はこの理由を遺伝子の発現状態を変化させるエピジェネティックな制御機構をサイトカインが変化させることで、病状や薬物の反応における患者間の多様性が生じているためと考えた。本研究において薬物治療後に反応性が低かった難治性症例におけるサイトカインの特徴を解析し、候補となったサイトカインが網膜の正常ないし閉塞した血管におけるメチル化などのエピジェネティックな制御を解析し、新たな病態概念の構築とそれを応用したオーダーメードな治療戦略の確立を新たに目指す。
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研究成果の概要 |
注射前の中心網膜厚(CRT)から注射1か月後のCRTを差し引いて浮腫改善量とし、その80%以上が減少した症例を良好例、20%以下しか減少しなかった症例を不良例とした。12例中7例が良好例、5例が不良例だった。注射回数が増えるとサイトカイン量は全体的に低下するが、不良例では特定のサイトカインが高値を示し、その発現を制御するエピジェネティック因子が同定された。残存領域では吸収領域に比べて毛細血管瘤(MA)密度が低いことが明らかになった。Faricimabは浮腫の改善とともにMAの数を減少させ、新たなMAの発生も抑制した。これは、VEGFとAng-2の両方を阻害するためと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性の糖尿病黄斑浮腫の症例におけるサイトカインや遺伝子の発現パターンの特徴がわかり、さらに同じ抗VEGF薬であっても、製剤ごとに変動する遺伝子プロファイルが異なることが示された。エピジェネティックな制御を行うことで、これまで不可能とされた虚血領域の縮小の治療の可能性が示唆されるデータをえることが出来た。
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