研究課題/領域番号 |
20K09775
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 枝里 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (60622602)
|
研究分担者 |
井上 俊洋 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (00317025)
藤本 智和 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (50756426)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 緑内障 / 線維柱帯細胞 / シュレム管内皮細胞 / エキソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障は本邦における失明原因の第一位であるとともに、世界の失明原因の第二位であり、世界で緑内障が原因で失明に至る患者数は2020年には1100万以上になると推測され 、緑内障の病態の解明、新たな治療薬の開発は喫緊の課題である。緑内障は多因子疾患であるが、眼圧下降が唯一のエビデンスのある治療戦略であることは変わらない。当研究室は、房水流出主経路を担う線維柱帯細胞に注目し、緑内障の病態の解明に取り組んでいる。近年、細胞間の情報伝達ツールとしてエキソソームの果たす役割が明らかになっている。本研究は、線維柱帯細胞由来エキソソームのシュレム管内皮細胞への作用と眼圧制御の関係を検討することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
線維柱帯(TM)細胞はエクソソーム分泌し、TGF-betaとコラーゲン刺激で間葉系性質を獲得したTM細胞は、コントロールのエクソソームと異なるmiRNA(exomiRs)を内包し、間葉系TM細胞のエキソソームではmiR-23a-5pが低下し、miR-3942-5pとmiR-7515が上昇した。miR-7515 mimic導入シュレム管内皮(SCE)細胞は、VEGFA、VEGFR2、PECAM、Tie2発現の増加を示した。緑内障眼で線維柱帯におけるエキソソーム局在を電子顕微鏡で確認した。エキソソームmiR-7515はSCE細胞のリプログラミングに重要である可能性がある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
緑内障は眼圧下降が現在唯一の治療であるが、緑内障点眼薬の多剤使用、頻回の手術によっても眼圧が制御できず失明に至る症例は多く、日本では失明原因第一位である。眼圧の制御には房水循環の機序の解明と、その機序に基づいた効果的な眼圧下降薬の開発が必要である。本研究は細胞間情報伝達物質であるエキソソームに注目し、房水中のエキソソームを解析し緑内障特異的なエキソソームmiRNAを同定し、初めて、線維柱帯細胞のエキソソームmiRNAがシュレム管内皮細胞に影響を及ぼすことを明らかにした。エキソソームの役割を解明することで、新たなバイオマーカーの可能性や新規治療の開発につながると思われる。
|