研究課題/領域番号 |
20K09827
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣岡 一行 広島大学, 病院(医), 准教授 (10325350)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 緑内障 / アルドステロン / ミネラロコルチコイド受容体 / 神経保護 / 網膜神経節細胞 / ROCK |
研究開始時の研究の概要 |
アルドステロンにより眼圧が上昇することなく網膜神経節細胞死が生じることを我々は発見したが、アルドステロンによる細胞死をどのようにして防ぐかが重要になってくる。グルタミン酸による網膜神経節細胞死とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系により生じる網膜神経節細胞死は別の系であることを我々は明らかにした。アンジオテンシンIIによりRho kinase(ROCK)の発現が上昇することから、網膜における神経細胞死にROCKの関与が考えられる。アルドステロンによって生じる網膜神経節細胞死のメカニズムの一つとしてROCKの役割を明らかにするとともに、ROCKを不活化することによる治療の可能性を探索する。
|
研究成果の概要 |
ラットに生理食塩水(生食)を飲水させることで、高血圧モデルを作製した。アルドステロンを浸透圧ポンプに入れ、皮下に埋め込み全身投与した。エプレノンとヒドララジンを用いて降圧薬の効果を調べた。アルドステロン投与6週後に網膜神経節細胞数(RGC)をカウントした。生食投与の有無に関わらず、アルドステロン投与でRGCは有意に減少した。エプレノンあるいはヒドララジンを投与することで血圧の低下を認めたが、RGC(/mm2)はエプレノン投与でのみ保護された。 アルドステロンによる網膜神経節細胞死は血圧による影響を受けず、エプレノンの神経保護効果は降圧によらないことが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血漿アルドステロン濃度が高いと血圧や眼圧に依存せずに、網膜神経節細胞死をもたらすことが明らかとなった。またこの結果を支持する結果として、血管拡張薬で血圧を下げても網膜神経節細胞死には影響を及ぼさないが、アルドステロンのミネラロコルチコイド受容体に対する作用を抑える薬剤であるミネラロコルチコイド受容体拮抗薬で血圧を下げると網膜神経節細胞死は抑制された。
|