研究課題/領域番号 |
20K09829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
中尾 新太郎 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 客員研究員 (50583027)
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研究分担者 |
石川 桂二郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00795304)
山口 宗男 福岡大学, 医学部, 助教 (50848017)
有馬 充 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (60772845)
澤 新一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80611756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 増殖糖尿病網膜症 / 網膜虚血 / 血管新生 / イメージング / OCT angiography / 眼内増殖性疾患 / シングルセル解析 / 網膜前膜 / 糖尿病網膜症 / 増殖硝子体網膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜増殖性疾患は外科的手術が唯一の治療法であるが、侵襲性があり度重なる手術が必要となる場合ある。現在、有効な薬物治療はなく開発困難な理由として、増殖組織が多様な細胞の集合体であり、細胞の相互作用と環境への反応が存在することが考えられる。今回増殖糖尿病網膜症にフォーカスし、増殖組織のシングルセルRNAシークエンスにより、眼内増殖組織に含まれる細胞群とその遺伝子発現を同定する。シングルセルレベルでの遺伝子ライブラリーを作成し、今後の基盤研究とする。将来的に臨床データ(眼底所見・光干渉断層像・蛍光造影検査・再発など)との相関により分子病態層別化・精密医療実現・分子標的薬創生に貢献できると考える。
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研究成果の概要 |
眼内増殖性疾患に対して4つのアプローチを行なった。①網膜前膜44症例をシングルセル解析のため回収したが、1サンプルあたり細胞数920個と、十分なcDNAが回収できず、本解析においてサンプルの条件再設定が必要である。②増殖網膜症マウスモデル(高酸素誘導)において、虚血に関与するマクロファージ分画をシングルセル解析で見出した。③増殖糖尿病網膜症モデル(VEGF強制発現)において、硝子体組織レジデントマクロファージが自己増殖することを見出した。④増殖糖尿病網膜症においてOCT angiographyを用いて増殖膜の血管構造を解析し、血管形態が3つあり疾患活動性とその血管volumeの相関を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
眼内増殖性組織は視機能低下に繋がる重要な病態である。しかし、現治療は硝子体手術による組織除去であり、新規治療法開発のために病態解明が求められる。眼内増殖の各病態にどのような白血球分画が重要かは不明であった。本研究では、増殖膜形成に関与する網膜虚血に、血管新生とは異なる分画が関与していることを見出した。今後、この細胞分画をターゲットとする治療開発が眼内増殖性疾患の制御につながる可能性が示唆された。又OCT angiographyを用いた眼内増殖膜内の血管構造が3つのタイプに分類可能であり、その血管体積が疾患活動性と関与することを見出した。これら検査は非侵襲的に増殖膜の病態把握に有用である。
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