研究課題/領域番号 |
20K09864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (30529566)
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研究分担者 |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
榊原 俊介 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50444592)
橋川 和信 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90403237)
大崎 健夫 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (30444582)
櫻井 沙由理 (大澤沙由理 / 大澤) 神戸大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (20594534)
高須 啓之 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (40566022)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脈管奇形 / 静脈奇形 / 血管平滑筋細胞 / 血管奇形 / 血管平滑筋 |
研究開始時の研究の概要 |
脈管奇形は先天性の脈管形成異常である。特に動静脈奇形や静脈奇形では軟部組織の醜状変形にとどまらず、筋・骨格系の変形、病変からの出血など組織破壊的となることもあり、日常生活に著しい制限を生じる。病変の多くは進行性であり、難治病変では進行を止める手段さえない場合がある。動静脈奇形や静脈奇形を含めた脈管奇形の病態生理および悪化の機序にはなお不明な点が多い。われわれは本研究を通じて、脈管奇形のうち特に静脈奇形における悪化機序について、主に「血管平滑筋細胞」に焦点を当てて分子生物学的側面より評価し、本疾患の分類・診断基準作成の補助ならびに疾患治療の確立へ結びつけることを目的とする。
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研究実績の概要 |
脈管奇形は先天性の脈管形成異常であるわれわれは本研究を通じて、脈管奇形のうち特に静脈奇形における悪化機序について、主に「血管平滑筋細胞」に焦点を当てて分子生物学的側面より評価し、本疾患の分類・診断基準作成の補助ならびに疾患治療の確立へ結びつけることを目的とした。 静脈奇形において免疫組織学的手法を用いて、主に形態についての検討を行った。当科で治療を行った口唇の静脈奇形の患者ち、硬化療法後の病変の退縮が不十分で同じ病変の切除を行った群(硬化療法併用群)6例と、硬化療法を行わずに外科的加療のみを行った群(手術単独群)3例にわけて、切除された検体の病理組織をHE染色、Elastica van Gieson(EVG)染色を行った。画像処理技術を用いてBackground subtraction操作を行い、嚢胞部分を含めた病変全体の面積(total area)と、嚢胞部分を除いた断面の面積(non-cystic area)を測定した。加えて、EVG染色画像をもとに膠原線維、弾性線維、筋線維部位を主に反映する赤、紫、黄色の3色でcolour deconvolutionを行い、各色で染色された組織の面積(red stained area, purple stained area, yellow stained area)を測定した。非嚢胞性部位は、硬化療法併用群で85%、手術単独群で80%であった。膠原線維を反映する赤色部位は前者が49.9%、後者が36.8%、弾性線維を反映する紫部分は前者25.8%、後者27.7%、筋線維を反映する黄色部分は前者29.6%、後者13.9%であった。治療前後のMRIで体積変化を認めなかったことから総合的に判断すると硬化療法後の口唇VM(静脈奇形)では、未実施のVMと比較して膠原線維が増加したことから硬化療法後は線維性組織への置換が起きたことが示唆された。 加えて「血管平滑筋細胞」の細胞培養を中心に行い免疫組織学的検討ならびにMTTアッセイによる増殖能の確認を行い細胞培養法に関する手技の確立を行った。
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