研究課題/領域番号 |
20K09981
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
沼部 幸博 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90198557)
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研究分担者 |
伊藤 弘 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30184683)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好中球 / 歯周病 / 歯肉溝滲出液 / 好中球細胞外トラップ (NETs) / 歯周組織検査 / 歯周病原細菌 / NETs / LPS / Toll-like receptor / 好中球(PMN) / 歯肉溝滲出液(GCF) / 歯周病検査 / 歯肉溝滲出液 (GCF) / 炎症マーカー / 唾液 |
研究開始時の研究の概要 |
歯肉溝滲出液(GCF)を利用した新しい歯周組織検査法の開発を目指す。そのために,歯周組織の健常者と歯周病患者を対象として,歯肉溝またはポケット内のGCF中の各種炎症マーカーおよび GCF中好中球(CPMN) の機能,特に Neutrophil Extracellular Traps(NETs)の発現状態を検索し,比較検討する。NETsは近年新たな好中球機能として着目され,炎症の制御との関連が知られている。その結果に基づいて,これまで知られていたGCF中の各炎症マーカーとNETsとの関連を見い出すことにより,歯周組織の初期の病態発現を補足することができる検査基準の発見が期待できる。
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研究成果の概要 |
歯周病の炎症部位に集積する末梢血好中球は、細菌の貪食を担いながら歯肉溝滲出液(GCF)に含有され、口腔内に至る。本研究では、GCFに含まれる好中球に発現する好中球細胞外トラップ (neutrophil extracellular traps:NETs)の状態から歯周組織の病態を探知する検査方法の可能性を検索した。 その結果、末梢血内とは異なり、歯周組織では歯周病原細菌のLPSなどが好中球に作用し、好中球が細菌を捕獲するためにNETsを発現させており、そのGCF中好中球を採取、分離後、NETs発現レベルを解析することで局所の歯周組織の状態を類推できる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、歯周組織検査では炎症を客観的に把握する手法が不足しており、歯周病を的確に探知し治療計画立案に繋げるためには、歯周組織の情報を別の角度から入手する必要がある。 本研究では、歯周組織内の好中球細胞外トラップ (NETs)の解析により歯周病原性細菌の侵襲などを探知することを可能とする基礎的データを提供しており、これまでと異なるアプローチで歯周病の病態診断法を提案することができた。これは新たな歯周組織検査の可能性を提示しており、本邦の歯周病の罹患率から、より精度の高い歯周病の診断システムが求められている現状を鑑みると、今後の歯周治療に大きく貢献するものと思われる。
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