研究課題/領域番号 |
20K09996
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 秀明大学 |
研究代表者 |
庭野 吉己 秀明大学, 看護学部, 教授 (40375184)
|
研究分担者 |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
神崎 秀嗣 秀明大学, 看護学部, 教授 (60807345)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯科インプラント / 骨粗鬆症 / 閉経女性 / 骨結合強度 / ポリフェノール / プロアントシアニジン / オッセオインテグレーション / 卵巣摘出動物 / 骨代謝 / インプラント / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
閉経女性のモデル動物である卵巣摘出マウスにポリフェノールの一種であるプロアントシアニジン(PA)を経口投与することで、メタボリックシンドロームの症状である肥満や耐糖能低下が改善されることを報告してきた。加えて、卵巣摘出マウスおよび同ラットにおいて、 PA投与による骨密度の低下(骨粗鬆症)改善作用、骨再生促進作用、および脛骨に挿入したインプラントのオッセオインテグレーション促進作用を見出した。そこで本研究では、「PAの経口投与が、骨粗鬆症を誘発したラットの口腔大臼歯部に挿入したインプラントの骨結合強度を改善する」という学術的仮説を検証するとともに作用機序を解明する。
|
研究成果の概要 |
プロアントシアニジン (PA) を食事摂取することを想定し、卵巣摘出ラットに混餌投与し挿入歯科インプラントの骨結合強度を検討した。しかし、抜歯時の残根、挿入インプラントの不十分な初期固定など手技上の問題点が露呈した。そこで卵巣摘出マウスに混餌投与し、骨代謝に対する影響を検討したが、強制経口投与で確認された骨密度の改善効果は得られなかった。文献検討を行い、強制経口投与の場合は、PAの大部分が大腸まで到達し、腸内細菌叢との相互作用等で有用な効果を発揮するが、混餌投与では、少量ずつが順次口腔・胃を経て大腸に到達するため、唾液タンパク、胃液、膵液の影響を受け、大腸での効果が発揮できなかったと推察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロアントシアニジン (PA) は、これまで更年期モデルとして用いた卵巣摘出動物での強制経口投与試験成績から、高齢の女性の骨粗鬆症予防へ活用できる可能性が示唆されている。しかし、本研究では食事からPAを摂取する場合には、その効果は大幅に減弱する可能性を示唆する成績を得た。従って、PAの骨代謝改善作用を介した閉経期女性の歯科インプラントの骨結合強度改善作用を引き出すには、サプリメントのような形態で摂取する必要があると推察される。今後の研究で課題を明確にし、応用につなげていく。
|