研究課題/領域番号 |
20K09999
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 富久 日本大学, 歯学部, 教授 (40246905)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | Lamin A / 骨細胞 / Wnt/βcatenin / シグナル伝達 / lamin A/C / 転写因子 / 遺伝子発現 / 骨芽細胞 / 細胞分化 / 細胞内シグナル分子 / lamin A / 骨代謝 / 骨再生 |
研究開始時の研究の概要 |
骨細胞でのlamin Aを中心としたシグナル伝達系を明らかにすることによって,骨形成過程におけるlamin Aの役割について探究する。実際には,骨細胞にlamin Aの遺伝子導入を行ないlamin Aを過剰発現させた実験系と,逆にlamin Aの発現を抑制した実験系を構築し,得られた細胞の表現型の変化を遺伝子・タンパクレベルで詳しく解析する。また,これらの遺伝子発現を網羅的に解析することによってlamin Aと細胞内で相互作用する新規因子を同定する。さらにlamin Aの発現変化によって変動する膜タンパクと分泌タンパクを同定し,骨芽細胞と破骨細胞の分化に与える影響について検討する。
|
研究成果の概要 |
核膜タンパクlamin Aの骨細胞に与える影響を調べるため,骨細胞株化細胞MLO-Y4にlamin Aを過剰発現させた細胞株のY4-lamin A(+)とベクターのみを発現させたY4-Wtにおける遺伝子・タンパクの発現変化を調べた。Y4-lamin A(+)はY4-WtよりもBMP-1,-2,-6,axin,GSK-3β,Wntおよびβ-cateninの発現が増加した。また,Y4-lamin A (+)はY4-WtよりもOPGとIL-6の発現が増加した。マイクロアレイによって,Y4-lamin Aで発現レベルが増加した遺伝子が約1,200個,そして発現が減少した遺伝子が約800個検出できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨細胞は,骨芽細胞や破骨細胞に直接働きかけ,骨の恒常性維持に重要な役割を演じている。Lamin Aが骨細胞におけるBMP-1,-2,-6の発現を誘導することから,骨組織内での骨芽細胞分化を促進させる因子と考えられる。また,Wnt/β-cateninシグナルの活性化とも関係し,その下流で機能するBMPファミリーをはじめとする様々な因子の発現と骨芽細胞の機能を調整していることが示唆された。本研究で得られた結果は,lamin Aが骨細胞の機能維持にとって重要な因子であるとともに,早老症における骨細胞の機能不全を密接に関連づけた。
|