研究課題/領域番号 |
20K10048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊池 雅彦 東北大学, 大学病院, 教授 (60195211)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 咀嚼圧 / 圧力センサシート / 咀嚼力 / 圧力センサ / 面圧力分布 / 咀嚼機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シート状の圧力センサを応用して食物咀嚼時に上下顎臼歯部間に生ずる咀嚼圧をリアルタイムで記録し、圧力を積分して力に変換することで、歯列上の咀嚼力として分析する方法を考案した。この方法により、様々な食物を咀嚼した時の咀嚼力を比較的簡便に測定できるだけでなく、歯の部分欠損がある患者、部分床義装着者、全部床義歯装着者などを対象に、補綴治療前後の評価にも応用可能である。チェアサイドにおいて臼歯部における咀嚼力をリアルタイムで測定する方法を確立し、健常有歯顎者や歯の欠損がある患者の咀嚼力の標準値を検討することにより、咀嚼機能障害の診断や補綴治療効果の判定に活用することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、咀嚼機能を評価するための指標として実際の食物咀嚼時の咀嚼力に着目し、圧力センサシートを臼歯部咬合面に設置して、食物咀嚼時の咀嚼圧をリアルタイムで記録することにより、チェアサイドで行える咀嚼機能評価法を確立することを目的としている。今年度は、キャノン化成(株)で取り扱っている感圧測定システムを購入し、本研究に応用できるか否かを検討した。このシステムに含まれる感圧センサユニットの1つである矩形タイプの感圧センサでは検出可能荷重は5N~300Nとされている。万能試験機を用いて感圧センサに実荷重を加えてキャリブレーションを実施したところ、0~100N付近までは概ね直線性がみられ、それより荷重が増加するとカーブが緩やかになる特性を示すことが明らかとなった。このことから比較的弱い力で咀嚼するような食品を対象にすれば咀嚼力の測定が可能であることが示唆された。そこで、所属する大学の研究倫理委員会に研究計画を申請して承認が得られたので、被験者を募集して咀嚼力を測定する実験を開始した。被験者は、顎口腔系に異常がなく、上下顎両側中切歯から第二大臼歯までに欠損歯がない、第三大臼歯未萌出の健常有歯顎者とし、被験食品にはグミゼリーとチーズを用いることにした。被験者の模型上で下顎右側の第1小臼歯から第2大臼歯までの部位に即時重合アクリルレジンにて咬合面側が平坦なスプリントを製作し、スプリント上にビニールで被覆した感圧センサ感圧部を設置し周辺部を接着剤で固定した。上顎右側の第1小臼歯から第2大臼歯までの部位にも即時重合アクリルレジンにてスプリントを製作し、対合する下顎の感圧センサと咬合時に概ね面接触するように咬合面側を調整し実験に供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、研究に応用することを予定していた圧力センサシートが使用できず研究が遅滞していたが、新たな感圧測定システムが見つかったことで、研究倫理委員会への申請から承認後の被験者募集がスムーズに進んだ。すでに被験者を用いた測定も実施され、さらに数名の被験者が確保されている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
20名程の被験者を募集しデータの収集を推進する。グミゼリーとチーズを咀嚼させ嚥下に至るまでの咀嚼力を記録することで、各咀嚼ストロークにおける最大咀嚼力や嚥下に至るまでの咀嚼力の積分値などを計測し、食品による違いがあるか検討する。
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