研究課題
基盤研究(C)
本研究は、免疫チェックポイント阻害剤による腫瘍免疫療法に耐性を示す口腔癌に対して、我々が開発してきた腫瘍溶解性ウイルス(シンドビスウイルス)を応用し、腫瘍抗原に対する免疫応答と免疫細胞の誘導を活性化させる事でその耐性を解除し、治療効果の向上と腫瘍免疫の獲得を目指す。また、両療法の効果に対しDNA損傷応答(DDR)が問題となる場合は、DDR阻害剤も併用し腫瘍免疫療法の効果増強を図る。
免疫チェックポイント阻害剤による癌免疫療法の効果は2割程度で大きな障害の原因は、腫瘍抗原の免疫原性が低下し免疫応答が不活化する事、腫瘍微小環境が免疫抑制状態になるためである。そこで、今研究は腫瘍溶解ウイルス療法の利点である、腫瘍溶解により腫瘍抗原を放出し免疫応答を活性化する事と、炎症性サイトカイン惹起し免疫細胞を誘導する事を応用し、腫瘍の免疫抑制状態を解除することで免疫チェックポイント阻害の腫瘍免疫療法に対する障害を克服する治療法を開発した。
口腔癌において免疫チェックポイント阻害剤による腫瘍免疫療法に対し腫瘍の免疫抑制機構により治療耐性になっていることが障害である。この耐性状態を解除する方法として腫瘍溶解ウイルス療法を応用した治療法の報告はなく新しい挑戦である。また、腫瘍溶解ウイルスは腫瘍溶解により直接個々の腫瘍から様々な腫瘍抗原を放出させるため、免疫原性が高い腫瘍免疫を誘導しやすい。最終的に、耐性機構を解除する方法を解明することは学術的意義がある。また、それにより、腫瘍溶解ウイルス療法以外の化学療法でも腫瘍免疫療法の治療効果を向上させる可能性があり社会的意義がある。
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