研究課題/領域番号 |
20K10121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
杉山 悟郎 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00722828)
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研究分担者 |
藤原 稔史 九州大学, 大学病院, 助教 (20644800)
山田 朋弘 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (60335619)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨免疫 / 骨代謝 / 骨芽細胞 / カルシニューリン / ミリストイル化 / NMT1 / NFAT / 脱リン酸化 / 免疫抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、骨芽細胞における NF-kB シグナルの重要性を、遺伝子組み換え技術を用い ながら示してきた。一方、難治性である顎骨骨髄炎の病態からは骨組織における免疫機能 の低下が示唆された。このことから、NF-kB シグナルの活性化により、免疫機能獲得に関 与するカルシニューリン (Cn) と NFAT 分子の脱リン酸化制御機構を抑制する機序が予想 された。そこで、この機序を可能にするような Cn 結合分子を同定することを目指す。ま た、同定した分子が Cn と NFAT の相互作用に及ぼす影響や結合部位について、遺伝子組 み換え技術を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
カルシニューリンは骨免疫システムにおける重要な役割を担う主要なタンパク質ホスファターゼである。骨芽細胞において、NFAT活性化を調べるウエスタンブロッティング法による解析を行った。炎症によりNFATの脱リン酸化は促進され、NFAT-カルシニューリンシグナルの活性化が示唆された。カルシニューリンの結合分子の探索を行い、免疫応答に重要なNMT1と結合することが明かになった。NMT1はミリストイル化転移酵素であり、カルシニューリンにもこの反応を可能にする特定のアミノ酸配列が認められたことから、ミリストイル化修飾反応を介してカルシニューリンの分子動態や免疫制御機構の変化が生じていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
顎骨骨髄炎などの骨炎症性疾患は難治性であり、その病態や分子生物学的機序はほとんど明らかになっていない。骨表面に存在する骨芽細胞が骨免疫の主体を担うと考えられ、この細胞内分子挙動の解明に繋がれば、病態把握や治療薬へのアプローチとして学術的、社会的意義が大きい。また、予防的に対応する手法や阻害剤などを用いたアプローチへ発展する可能性がある。
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