研究課題/領域番号 |
20K10161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石岡 康希 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (70770840)
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研究分担者 |
小野 重弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70379882)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抗癌剤抵抗性 / 唾液腺癌 / 核内受容体 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
オーファン核内受容体であるNR4Aファミリーは、NR4A1、NR4A2、NR4A3の3種からなり、いずれも生理的なリガンドは不明であるが、アポトーシス誘導、腫瘍形成、免疫応答、細胞周期制御など様々な生体応答に関与することが報告されている。最近でも、NR4Aファミリーが抗腫瘍免疫応答の抑制機構に関与することが示唆される報告もある。我々は、NR4A2が、口腔扁平上皮癌細胞における抗癌剤抵抗性に関与する可能性を示してきたが、唾液腺癌細胞における研究報告は多くない。ヒト唾液腺癌におけるNR4Aファミリーを介した抗癌剤抵抗性の獲得機序を明らかにすることは重要であると考える。
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研究成果の概要 |
CD44高発現を示す唾液腺癌細胞における核内受容体NR4A2のアポトーシス抵抗性を検討した結果、NR4A2 siRNAノックダウン後、5-FUにより誘導されるアポトーシス細胞の割合は増加した。また、CD44高発現を示す唾液腺癌細胞からCD44high/ESAlow細胞、CD44high/ESAhigh細胞を分離し、5-FUにより誘導されるアポトーシスの抵抗性への液性因子の関与を検討した結果、CD44high/ESAlow細胞が産生するPGE2が、CD44high/ESAhigh細胞の5-FUにより誘導されるアポトーシスの抵抗性に関与することが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NR4Aファミリーが抗腫瘍免疫応答の抑制機構に関与することが示唆される報告もあるが、唾液腺癌における抗癌剤抵抗性に関与する可能性についての報告は多くない。今回の研究結果から、CD44高発現を示す唾液腺癌細胞のアポトーシス抵抗性にNR4A2が関与している可能性が示唆され、CD44high/ESAlow細胞が産生するPGE2が、CD44high/ESAhigh細胞の5-FUにより誘導されるアポトーシス抵抗性に関与することが示された。このことから、唾液腺癌細胞における抗癌剤抵抗性獲得機序に核内受容体およびPGE2など液性因子が介している可能性が示唆された。
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