研究課題/領域番号 |
20K10177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丹羽 均 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30218250)
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研究分担者 |
前川 博治 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10711012)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | パーキンソン病 / 痛覚過敏 / 視床下部室傍核 / オキシトシン / バゾプレシン / 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン / 疼痛関連行動 / 痛覚 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は、神経変性疾患のひとつであり、脳の黒質細胞で産生される神経伝達物質のドパミンが減少し、運動の制御機構が正常に機能しなくなる疾患である。また、非運動症状としてPD患者の多くが、痛み経験し、生活の質(QOL)に大きな影響を与えている。 本研究の目的は、PDモデルラットを用い、痛覚過敏のメカニズムを解明することである。そのため黒質線条体系のドパミンの枯渇が、視床下部室傍核の機能低下を引き起こし、その結果、オキシトシン、バゾプレシン、および副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを介した疼痛制御機構に影響を及ぼしているとの仮説を立て、その仮説を免疫組織学的手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)の非運動症状として痛覚過敏のメカニズムについて検討した。PDにともなう黒質線条体系のドパミンの枯渇による視床下部室傍核(PVN)の機能低下が、オキシトシン(OXT)、バゾプレシン(AVP)、および副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)を介した疼痛制御機構に影響を及ぼしているとの仮説を立てた。 内側前脳束に6-OHDAを投与し作製したPDモデルラットを用い、侵害刺激に対する免疫組織学的分析と血液生化学的検査を実施した。その結果、PDモデルラットに見られる痛覚過敏反応には、PVNにおけるOXTとCHR産生細胞の活性低下が関与していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)の主症状は運動障害であるが、非運動症状である痛覚過敏は患者のQOLを著しく低下させる。本研究は、PDにおける痛覚過敏のメカニズムの解明に焦点を当て、その原因として視床下部室傍核(PVN)が関与し、PVNに存在するオキシトシン(OXT)、および副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)産生細胞の機能低下が原因となる可能性を、免疫組織学的手法と酵素免疫測定法を用い明らかにした。この結果は、PD患者の示す痛覚過敏の治療法につながる有用な研究となると考えられる。
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