研究課題
基盤研究(C)
腱研究の主流は アキレス腱などの“筋外腱”であり、“筋内腱”の発生機序は明らかにされていない。本申請研究では“筋内腱”の起源に関して新たな視点の仮説を立脚し、世界に先駆けて“筋内腱”の発生メカニズムを解明する。そして、咀嚼筋腱・腱膜過形成症に対する新規治療法の開発に向けた基盤構築を目指す。
咀嚼筋の内部には多数の“筋内腱”が存在し,アキレス腱のような筋の外にある腱とは性質が異なる.近年,『咀嚼筋腱腱膜過形成症』という新たな概念の疾患が注目されている.本疾患の主な病態は骨格筋内の腱の過形成であり,その病因を解明するためには“筋内腱”の発生機序を明らかにする必要がある.そこで本研究では,“筋内腱”と骨の境目(エンテーシス)の発生機序を明らかにすることとした. その結果,エンテーシス発生に必須のSox9が,胎生初期にのみ高い発現を示し,その後ダウンレギュレーションすることを明らかにした.すなわち,“筋内腱”エンテーシスの発生機序は,一般的なエンテーシスとは異なることを示すことが出来た.
本研究は咀嚼筋腱・腱膜過形成症の新規治療法へ向けた基礎研究であり,その第一歩として,筋内腱の腱-骨接合部の発生を検索した.その結果,アキレス腱などに代表される一般的な腱-骨接合部とは,その発生機序が異なることが明らかとなった.すなわち筋内腱には独自の発生パターンが存在し,この発生機序の全容解明が咀嚼筋腱・腱膜過形成症の新規治療法への第一歩になるとことを確信した.世界的に見て,腱研究はアキレス腱のような筋外腱のみが注目されており,我々の注目している筋内腱を独自ルートで追い求める意義を感じた.
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