研究課題/領域番号 |
20K10225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
仲 周平 岡山大学, 大学病院, 講師 (10589774)
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研究分担者 |
仲野 和彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00379083)
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30359848)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | IgA腎症 / Streptococcus mutans / コラーゲン結合タンパク / ラット動物モデル / ラット頸静脈モデル / ラット齲蝕モデル / RNAシーケシング / IgA 腎症 / 齲蝕 / コラーゲン結合能 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、齲蝕の主要な病原細菌である Streptococcus mutans の中で、コラーゲン結合能を有する菌株が、感染性心内膜炎の発症、脳出血、炎症性腸炎や非アルコール性脂肪肝炎の病状の悪化を引き起こすメカニズムの一端を明らかにしてきたが、腎臓への影響に関しては未検討であった。IgA 腎症患者の唾液からコラーゲン結合能を有する S. mutans が高頻度で検出されるため、本研究では、IgA 腎症患者より分離した S. mutans を用いて、IgA 腎症発症に起因するメカニズムの一端を明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
IgA 腎症は、検尿で血尿やタンパク尿を認め、腎臓糸球体に IgA が沈着し慢性の経過をたどる病変で、末期腎不全に進展しうる予後不良な腎臓疾患である。しかし、その原因やメカニズムの詳細については不明な点が多い。本研究では、IgA 腎症患者口腔より分離したコラーゲン結合能を有する Streptococcus mutans 株をIgA ラット頸静脈投与モデルとラットう蝕モデルの2つのラットモデルを用いて、病態発症メカニズムの検討を行った。その結果、両動物モデルにおいて、腎臓糸球体では IgA 腎症に特徴的な病理組織学的所見を認め、IgA腎症様腎炎が発症することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、実際に IgA 腎症患者の口腔から採取した菌株を使用し、動物モデル口腔内に齲蝕を誘発させることによって、一過性に細菌が体内に侵入するモデルではなく、持続的に全身へと侵入する可能性を再現するため、現実が反映できている可能性が高いと想定できるモデルであることも新たな試みの 1 つと考えている。本研究の結果、口腔細菌や歯科疾患の関連する IgA 腎症のメカニズムの一端が明らかになれば、新規治療の開発につながる可能性もあり、画期的なアプローチによって当該患者に対する利益に加えて、医療経済的にも大きな社会貢献が期待できると考えられる。
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