研究課題/領域番号 |
20K10285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
南部 隆之 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80367903)
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研究分担者 |
高橋 一也 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (10236268)
真下 千穂 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80368159)
草野 薫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (80382498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 口腔細菌 / レジリエンス / 細菌叢解析 / 細菌叢 / 口腔 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔を対象とした細菌叢解析が広く行われるようになり,口腔や全身健康の悪化には,細菌叢バランスの変化が関連していることが明らかとなってきた.この変化が容易に起こるかどうかは,個人の細菌叢のレジリエンス(変化に対する抵抗力)に依存していると考えられているが,その評価法は未だ確立していない.本研究は,我々が構築した口腔内での細菌叢構成を維持したまま培養可能な細菌叢培養モデルと次世代シークエンス技術を組み合わせることで,個人ごとの細菌叢のレジリエンスを評価し,レジリエンスの個人差を生み出す要因を明らかにする.加えて歯周疾患や高齢者舌苔の細菌叢のレジリエンスの特徴を解明する.
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研究実績の概要 |
近年、歯周疾患やう蝕などの口腔疾患患者だけでなく、健康な被検者も含めた広範な口腔内の細菌叢(マイクロバイオーム)の解析が進んでいる。この研究によって、口腔や全身の健康と口腔内細菌叢との関連性が明らかになりつつある。特に、口腔や全身の健康維持が単一の細菌に依存するのではなく、細菌叢のバランスの変化が重要な役割を果たしていることが示されている。 我々の研究グループでは、独自に開発した細菌叢培養モデルを使って、細菌叢のバランスを疾患状態から健康状態へ変える因子や条件を探っている。実験を重ねる中で、使用するサンプルによって細菌叢の変わりやすさに差があることが確認された。これは「レジリエンス」と呼ばれる概念で理解されており、細菌叢の環境変化に対する抵抗力として注目されている。2023年度には、同意を得た健康な成人からプラークをさらに採取し、温度や酸素濃度が細菌叢にどのような影響を与えるかを統計的に解析した。その結果、特定の温度や酸素濃度によって細菌叢の維持が困難になる条件を特定することに成功した。さらに、酸素濃度や消毒薬がレジリエンスにどのような影響を与えるかも調べている。また、LED照射や抗体を加えることによっても細菌叢が変わることが示されている。これらの研究は、口腔内の細菌叢が健康に与える影響をより深く理解し、将来的には疾患予防や治療戦略を改善するための重要な手がかりを提供している。今後、口腔疾患だけでなく全身の健康に貢献するための知見を積み重ねていく予定である。
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