研究課題/領域番号 |
20K10305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
吹田 憲治 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90569542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 口腔疾患 / 心房細動 / cAMP / Epac / βアドレナリン受容体シグナル / 心臓組織リモデリング / 心臓リモデリング / ストレス / 自律神経系 / 心機能 / 口腔機能異常 / ベータアドレナリン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔疾患と心疾患の連関を示唆する研究報告は数多いが、その分子機構の詳細は依然として明らかでない。これまでに研究代表者は、心臓βアドレナリン受容体(β-AR)シグナルの構成因子であるEpac1に着目し、臨床で最も一般的な不整脈である心房細動(AF)の発症における当該分子の役割を報告した。本研究では、我々が最近構築した口腔疾患の動物モデルを用い、AF発症における口腔疾患の影響をEpac1遺伝子欠損(Epac1KO)マウスと野生型マウスで比較検討する。すなわち、口腔疾患がAFのリスクファクターであることを明らかにし、その発症機構におけるEpac1を介したβ-ARシグナル伝達経路の重要性を証明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、口腔疾患が臨床で最も頻繁に認められる不整脈である心房細動(atrilal fibrillation: AF)に与える影響を、我々が最近構築した口腔疾患マウスモデルを用いて解析した。咬合不調和は交感神経系の慢性的活性化により心房組織のリモデリングやAF脆弱性の亢進を引き起こすことが明らかとなった。一方、cAMP標的分子Epac1の遺伝子欠損マウスでは野生型マウスと比較して咬合不調和による急性期での心機能低下、および死亡率の増加を認めた。このことから、咬合不調和はEpac1が仲介するシグナル伝達により心臓の恒常性に影響を及ぼすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、AFのリスクファクターとして知られる高血圧、糖尿病、肥満、睡眠障害などの症状を緩和することがAF治療戦略の重要な柱の1つと考えらえている(Circulation 136, 583-596, 2017)。本研究によりAF予防法ならびに治療法としての口腔保健の重要性がさらに明確になり、国民健康寿命の延伸を目的とした歯科検診や診療の推進運動に貢献できるものと期待される。
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