研究課題/領域番号 |
20K10338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
藤原 真治 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (40458279)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60335510)
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90193432)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (40434542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 傾斜地農業 / 高齢者 / 山間へき地 / 地域医療 / フレイル / 認知機能 / 難聴 / 生きがい / 傾斜地 / 農作業 / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
傾斜地は、足腰や心肺への負担、外出困難、転倒・転落など健康や安全に否定的な影響がある環境因子として扱われることが多い。一方で、中山間地域に所在する医療機関での診療では、逆に筋力や心肺機能の維持・向上など、傾斜地が住民に肯定的な影響を及ぼしていることも少なくない印象を受ける。そこで「傾斜地での農作業が高齢者の心身機能の向上及び健康寿命の延伸に与える影響を検討すること」を目的に研究を実施することとした。特に傾斜地が高齢者に肯定的な健康増進に好影響を与える条件を同定、応用し、人口減少が劇的に進行している、全国に点在する中山間地域に居住する高齢者の健康増進、健康寿命の延伸のための方略の一般化を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、傾斜地での農作業が高齢者の心身機能と健康寿命に好影響を及ぼす条件を検討することを目的とした地域医療現場で実施される研究である。令和2年初めから続くコロナ禍にて我が国は大規模な感染拡大期を幾度も経験した。本研究は同年に研究期間が開始となったが、対象者は山間へき地の診療所を慢性疾患にて定期受診している65歳以上の高齢者であり、全員が新型コロナ感染症の重症化リスクを有するとも考えられる状況であった。医療機関での会話を必要最小限にすることや滞在時間を短縮すること、地域外から来た人との接触を極力減らすことが求められる状況にて、医療現場もしくは自宅や畑など訪問先にての研究活動については慎重にならざるを得なかった。本研究のベースライン調査とするデータセットはコロナ禍となる前に構築されていたが、本研究にて目的に即した追加測定項目を取得する計画は大きな影響を受けることとなった。令和4年度もベースライン調査の解析をメインとした活動を行った。 高齢者が出荷を目的とせず日常生活の一部として行う農作業に関し身体機能との関連を検討するなかで、作業強度は身体機能に応じて調整されている可能性が示唆された。新型コロナの5類移行後は、畑の傾斜などの作業環境や作業強度を測定項目に加えて更なる検討を加えていきたい。 並行して、広く高齢者において日常生活に大きな影響を及ぼし、認知症のリスクとしても重要な難聴についても検討を続けている。難聴が社会機能および身体機能に影響し、要介護へ至る経緯の一端が明らかになることで、要介護あるいは死亡への進行抑制について働きかける手がかりが増えることになると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は対象とした高齢者と会話を交わしながら回答を得たり測定したりする調査項目が多いため、研究期間中に新型コロナの新規感染者数が何度もピークを迎えるなかで医療機関内や自宅訪問にて研究活動を行うことは感染予防の観点から困難であった。 これを補うため、本研究にて新規測定項目を追加する前段階にあるベースライン調査を解析し、関連する項目から畑仕事について検討を行った。また、高齢者において重要な難聴や生きがいについても追加解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染症法上5類に移行した後は、複数府県にまたがるメンバーで構成されている研究チームの移動についても制限が大きく緩和されることが見込まれる。研究の実施地域は人の動きが比較的少ない山間へき地であるため、地域の社会的状況を確認し、感情面にも配慮しつつ慎重に研究活動を再開していきたい。
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