研究課題/領域番号 |
20K10509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
須藤 洋一 岩手医科大学, いわて東北メディカル・メガバンク機構, 特命准教授 (50810561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 遺伝子発現解析 / eQTL / 単核球 / 細胞ストレス / NKG2Dリガンド / メンデル無作為化 / 免疫 / RNA-seq / デンジャーシグナル / がん / 因果推論 / 関連解析 / ゲノムコホート |
研究開始時の研究の概要 |
DNA損傷等のストレスは細胞ががん化するリスクを高める。そのため、ストレス下にある細胞はデンジャー・シグナル(DS)として知られる分子を表面に表し、周囲の免疫細胞に自身の排除を促す。しかし、DSの機能は、一部がごく小規模な実験環境で調べられているに過ぎない。本研究では、日本最大規模のゲノム・コホート研究によって集められた、15万人のゲノム情報と罹患情報、生活習慣情報を活用し、これまでの少規模な解析では解明できなかった、DSが介在するストレス要因とがん罹患などの疾患発症との関連性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
末梢血から取得した単核球(リンパ球、単球など、白血球と呼ばれる細胞の一部)の遺伝子発現解析を行い、遺伝子発現情報を得た。対象者のゲノム情報と、対応する遺伝子発現情報から、遺伝子発現量に関連する遺伝子多型(eQTL) を検出した。eQTLの中でも、細胞ストレスに対応して発現するデンジャーシグナルと呼ばれる分子の一群、NKG2DリガンドのeQTLに注目し、この発現量と各疾患のリスクとの関連を、フェノムワイド関連解析とメンデル無作為化法と呼ばれる方法で解析した。その結果、NKG2Dリガンドの一つMICA発現量と、バセドウ病などの疾患リスクとの間に統計的に有意な関連性が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NKG2Dリガンドの機能についてはこれまで動物を使用した研究では示されてきたが、人間における機能については不明な点が多かった。また、NKG2Dリガンドは人間と動物の間で違いが大きいことが知られており、動物で判明したことを人間に応用することが比較的困難であると考えられていた。今回の研究により、人間において、少なくともNKG2DリガンドのうちMICAの末梢血単核球における発現量と、バセドウ病などの疾患リスクとの間に因果関係があることが統計的に示唆され、将来的に、こうした疾患のメカニズム解明に貢献すると期待される。
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