研究課題/領域番号 |
20K10551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐野 利恵 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70455955)
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研究分担者 |
高橋 遥一郎 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50640538)
早川 輝 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90758575)
窪 理英子 群馬大学, 医学部, 技術職員 (40747127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ABO遺伝子 / OBP2B遺伝子 / ABO式血液型 / エンハンサー / OBP2B / 法医学 / 人類遺伝学 / 輸血学 / 転写調節 |
研究開始時の研究の概要 |
ABO遺伝子は高い多型性があること、O遺伝子は酵素活性が消失した「偽遺伝子」であることから、ABO遺伝子のコードするタンパク質自体は生命の維持に必須ではない。 しかしながら、ABO遺伝子とその類縁遺伝子はヒトにかぎらず、脊椎動物などに幅広く存在することから、生命に重要な何らかの機能にABO遺伝子座が関与していると考えられる。これまでの研究では、ABO遺伝子の存在意義は明らかになっていない。そこで、「ABO遺伝子は何のためにあるのか」という問いを転写調節研究により解明する、ABO遺伝子研究の新しい展開である。
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研究成果の概要 |
ABO 遺伝子とABO 遺伝子の66-kb セントロメア側にあるOdorant Binding Protein 2BをコードするOBP2B遺伝子を含むトポロジカルドメインが存在する。そこで、+22.6-kb siteを欠損する胃癌培養細胞を用いて、ABO 遺伝子とOBP2B遺伝子の発現を調べたところ、両遺伝子の発現が低下していたことから、両遺伝子は協調的な転写調節を受けることが推測された。OBP2B蛋白には生殖や哺乳等の重要な生理学的役割が予想されることから、+22.6-kb siteの保存が必要であり、分子進化において、近隣に存在するABO遺伝子の喪失が生じなかったと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABO式血液型と疾患の関係については明らかにされているが、ABO式血液型の生理学的な意義については未解明である。ところで、ABO遺伝子の欠損したヒトの報告が無いことやOアリルの存在から、ABO遺伝子のコードする糖転移酵素よりABO遺伝子の存在自体が重要な役割を果たしている可能性が考えられる。+22.6-kb siteはOBP2B遺伝子の転写調節を行うが、OBP2B蛋白には生殖や哺乳等の重要な生理学的役割が予想されることから、+22.6-kb siteの保存が必要であり、分子進化において、近隣に存在するABO遺伝子の喪失が生じなかったとの推測され、本研究成果は大きな学術的意義を持つ。
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