研究課題/領域番号 |
20K10553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 史樹 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (40754958)
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研究分担者 |
金 継業 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (40252118)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 分子インプリントポリマー / 電気化学発光 / 薬毒物分析 / センサ / 医薬品分析 / リドカイン / モルヒネ / 電位変調 / GC-MS / 薬毒物 / 分析化学 / 電気化学分析 |
研究開始時の研究の概要 |
電気化学発光(ECL)は高感度分析法として着目されている一方,選択性が比較的低いことが問題視されており,生体試料などの実試料分析への適用は限定的であった。 本研究では,目的化学種を鋳型分子として用いることで,特異的な分子認識が可能な分子インプリントポリマー(MIP)法に着目し,薬毒物分析を指向したECL検出法の確立を試みる。MIPの特異的な再結合特性を利用し,厳格な判定が必要な法科学分析領域にECL法を展開させる。この,① MIPによる目的化学種の選択濃縮 と ② ECL検出による高感度分析法の融合は,新しい選択的な薬毒物検出法の確立が期待されることから,法医化学および分析化学領域の適用範囲の拡張を図るものである。
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研究実績の概要 |
電気化学発光(ECL)は高感度分析法として着目されている一方,選択性が比較的低いことが問題視されていたため,多数の薬効成分を含有する市販薬や生体由来のマトリックスを含む尿などの実試料分析への適用は制限されていた。本研究では,鋳型分子に対する特異的な吸脱着挙動を示す分子インプリントポリマー(MIP)法に着目し,規制薬毒物分析を指向した特異的なECL検出法の確立を試みた。令和4年度では,下記の項目について研究を実施した。 (1)種々の薬毒物を鋳型分子としたMIPの合成 種々の薬毒物を鋳型分子とした沈澱合成法によってMIPを調製した。医薬品成分のモルヒネ,コデイン,ジヒドロコデインおよびセチリジンを鋳型分子としたMIPを合成し,類似化学種と分離分析できることを確認した。この際,鋳型分子を含まないポリマーについても比較評価し,特異吸着量に関する相補的な情報を得た。得られた情報に基づいて,薬毒物スクリーニングに向けた前処理技術として確立するため,複数の薬効成分を含む総合感冒薬中の薬毒物成分検出に適用した。更に,実際の生体資料分析に向けて尿中の薬毒物分析に展開した。 (2)MIPと組み合わせたECL法による薬毒物検出 MIPをカーボンペーストと混合し,電極として用いることで選択的なセンサとしての利用を試みた。局所麻酔薬であるリドカインの定量分析が令和3年度までに達成されていたため,上記(1)で合成した種々のMIPについても同様に評価した。その結果,処方薬および市販薬中に含まれていたジヒドロコデインおよびセチリジンを選択的に分離検出できるMIP-ECL測定条件を決定し,簡便で選択的な電気化学センサとしての応用の道筋が得られた。
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