研究課題/領域番号 |
20K10558
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
新谷 香 (石田香) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345047)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | miRNA / 筋肉 / 分化 / 加齢 / 筋分化 / カルパイン / 老化 / 心不全 / 心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全は高齢になるほど罹患率が高く、昨今の高齢化で急増している疾患である。心臓突然死の大半を占める急性心筋梗塞心筋梗塞は心不全の主原因でもある。梗塞後心不全の予防には、レニン・アンジオテンシン系の活性化により生じる線維化の制御が重要であると言われている。本研究では、①タンパク分解酵素カルパインが心筋梗塞後に活性化する、②線維化刺激因子であるTGF-β1の産生にカルパインが関与している、③カルパインがTGF-β1発現を抑制するmiRNAの発現量を減少させる、という仮説を立て、心筋梗塞後心不全の進展に関与するカルパインの新しい役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
カルパインは、機能タンパク質や構造タンパク質を限定分解することで心筋梗塞を含む様々な病態に関与する。一方、miRNAはタンパク質の転写後発現調節に関与する。筋芽細胞は筋細胞に分化して筋肉の損傷部位を修復する。本研究では、カルパイン阻害や細胞の老化が筋芽細胞の筋異的miRNAであるmiR-133aとmiR-1の発現量を低下させ、筋分化能を悪化させることを見出した。これらのmiRNAを過剰発現させると筋分化能は回復した。加齢マウスから単離した筋芽細胞においても、miR-133aとmiR-1発現量が低下していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
筋特異的miRNAの発現を調節するというカルパインの新しい役割が見出された。さらに、筋特異的miRNAは加齢によっても発現が抑制され、筋芽細胞の筋分化能を低下させることが明らかになった。筋肉が損傷を受けると筋幹細胞が活性化し、筋芽細胞となって分化し、筋管細胞を形成し、損傷部位を再生する。本研究成果は、心筋梗塞後の心筋傷害だけでなく、高齢者に見られる骨格筋萎縮(加齢性筋肉減弱症)にも関係していると考えられる。
|