研究課題/領域番号 |
20K10641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 聖カタリナ大学 (2022-2023) 愛媛県立医療技術大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岡田 ルリ子 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (00233354)
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研究分担者 |
香川 里美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 講師 (30558507)
森 敬子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (40795431)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 整膚 / 角層水分量 / 皮膚血流量 / 皮膚バリア機能 / 漢方療法 / 保湿 / 表皮角層 / 末梢血液循環 / 皮膚保湿 / 漢方医学 |
研究開始時の研究の概要 |
漢方医学の“整膚”は、施術者の手で受術者の皮膚に一定の力学的刺激を加える療法で、按摩のように皮膚を「押す」陽圧刺激ではなく、「ひっぱる」という陰圧刺激である。この減力手法は、整膚部位の皮下脂肪と筋肉組織の間隙を広げ、皮下の血管拡張により血液循環を促すと言われている。 本研究では“整膚”が、末梢血液循環を促進し表皮角層を保湿する、との仮説を立て、我々の実績にもとづくプロトコルにより、一般の外用保湿剤と整膚との保湿効果の差、さらには一定期間の整膚施術(自己治療)による保湿効果を確認し、整膚が皮膚バリア機能維持のための新たな看護方法となりうるかどうかを検証する。
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研究成果の概要 |
皮膚をひっぱる減力手法の「整膚」は、皮下血流改善を促す漢方療法として冷え症者にも適用される。本研究は「整膚が、皮下血流を促進し表皮角層を保湿する」との仮説を立て、冬期の皮膚バリア機能維持に貢献できる看護方法となり得るかを検証した。 方法:冬季に、被験者15名の両前腕に計10分間整膚を実施し、角層水分量計およびレーザー血流計で前腕の整膚非実施部位を整膚後30分間測定し、整膚無しの場合と比較した。 結果:皮下血流量は、両群とも有意な変化を認めなかったが、角層水分量は、整膚群が有意な高値を示した。以上より、血流と保湿の関係は証明できなかったが、整膚が表皮角層を保湿することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皮下血流改善を促す漢方療法としての「整膚」が、冬期の皮膚バリア機能維持に貢献できる看護方法となり得るかを検証した。 その結果、皮下血流量は、対照群・整膚群とも有意な変化を認めなかったが、角層水分量は、整膚群が有意な高値を示した。血流と保湿の関係は明らかとならなかったものの、整膚が表皮角層を保湿することが証明された。 以上の結果から、整膚は、一定の手技獲得ができれば、日常場面でだれにでも行える技術であり、冬季の皮膚バリア機能維持に大きく貢献できる看護方法となることが明らかとなった。今後、そのメカニズムを解明していくことで、より確実な看護方法として、新たな看護技術の一つに加えることが可能と考える。
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