研究課題/領域番号 |
20K10705
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 福岡女学院看護大学 |
研究代表者 |
吉川 由香里 福岡女学院看護大学, 看護学部, 講師 (80828111)
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研究分担者 |
豊福 佳代 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (50737195)
藤野 ユリ子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (90320366)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 看護学生 / 難聴高齢者 / コミュニケーション / 教育プログラム / VR教材開発 / 困難感 / VR教材 / シミュレーション / コミュニケーションスキル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、若年者のコミュニケーション能力の低下が指摘されている。原因の一つは、少子高齢化や核家族化といった生活環境の変化により、若年者と高齢者が接する機会が急激に減少してきているためであり、これは今後も続くと予測される。二つ目は加齢に伴う聴覚機能の低下である。 看護師にとってコミュニケーション能力は必要不可欠なスキルであるため、看護学生にとって高齢者とのコミュニケーション能力の育成は喫緊の課題である。 本研究では、学生自身が「難聴高齢者の疑似体験を通してコミュニケーションスキルを高めることが可能なVirtual Reality(VR)教材を開発」し、これを活用した教育プログラムを開発、実施する。
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研究実績の概要 |
A看護大学2年生26名を対象にプログラムを実践しプログラム評価として行った、質問紙調査を分析した。 結果、教育プログラム前後で「はっきり話す」「ゆっくり話す」「相手の方を見て話す」など37項目のうち11項目の対応はすでに必要だと思っていたことがわかった。一方、26項目はプログラム後で有意に高くなっており、特に「誇張しない」「声は自然な大きさで話す」「静かな場所で明かりが話し手の顔を照らす位置をとる」の3項目は必要だと思う程度が強くなっていることがわかった。自由記述では、難聴だと、体験前とイメージと異なり、ノイズ音や判別しにくい声に聞こえること、自分の話し方の課題に気づいていた。さらに具体的な話し方や対応がわかり、実習や今後に役立つ良い機会だったと感じていたことがわかった。 以上から、教育プログラムでは、学生はVRによる難聴体験をすることによって対象者の理解を深め、声はこれくらいの大きさで、高さはこれくらい低めの方が良い、言葉はこれくらいゆっくりで、文章は短かめの方が良いなど、タブレットで繰り返し評価することで、より具体的なコミュニケーション方法の習得につながったと考えられる。また対象者の反応を見て、意思疎通状況を判断し、うまくコミュニケーションがとれない場合は、 適切な対応を行うことの必要性も感じることができていたのではないかと考える。 さらに、実習後、難聴高齢者とコミュニケーションをとった学生からのインタビューでは、トレーニングで得られた知識やスキルを活かし、「相手の視界に入ってから声かけるようにした」、「低い声でやや多きめの声で話す」「短文で話すように心がけた」ことによってコミュニケーションがとれたことがわかった。 また、さらにお手本動画があると良かった、実際に難聴の方と話す機会をもてると良いなど、今後につながる意見を得ることもできた。
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