研究課題/領域番号 |
20K10763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2023) 和歌山県立医科大学 (2020) |
研究代表者 |
武用 百子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00290487)
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研究分担者 |
山岡 由実 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (00326307)
明神 哲也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00521428)
有光 興記 関西学院大学, 文学部, 教授 (10341182)
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
川崎 絵里香 京都先端科学大学, 健康医療学部, 助教 (40580543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | PICS-F / ICUサバイバー / ポジティブ心理学 / セルフコンパッション / マインドフルネス / アプリケーション / PICS / ポジティブ心理学的 / PPI / PTSD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,Post Intensive Care Syndrome-Family(PICS-F)の精神的諸問題に対するセルフ・コンパッション介入の効果を検証することである.介入ツールはWeb版を作成し,対象者が自宅で自由にアクセスできる手法である.研究対象は,救急搬送された74歳までのICU入室患者の家族100名を目標とし,多施設共同研究とする.介入前後の心理学的指標については,日本語版日本版主観的幸福感,セルフ・コンパッション尺度,PTSD評価尺度(IES-R),BDI(ベック抑うつ質問票)の質問紙を用い,開始時、退院前,退院後約1か月後,退院後約3か月後の計4回実施し,検証する.
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研究実績の概要 |
ICU入室患者家族は、喪失感や重症病態を目の当たりにすることで悲しみ、患者・医療スタッフ・自分自身に対する不十分な説明や病気を防げなかった怒り、将来に対する恐怖を感じると言われている。このような感情変化のなか、退院90日後には48%の家族がうつ、不安、PTSDなどの精神的諸問題を抱える。これをPICS-Fというが、このような状況下にある人は脅威を感知して扁桃体を活性化し、コルチゾールとアドレナリンを放出して、fight、flight、freezeが起こりやすい状況となる。この状況に対して介入可能な方法の一つにセルフコンパッションがあげられる。2023年度は、セルフコンパッションのエビデンスに基づいたケアの方法を組み込んだアプリケーションを完成させた。 また、本アプリケーションの効果検証については、ICU患者家族を対象とすることがコロナ禍以降困難であったため、まず看護学生を対象としたパイロットスタディを分担者の川崎が実施した。介入群については、プログラムは4種類あり、各2週間、合計8週間行った。評価尺度はCES-D:抑うつ尺度、PANAS:ポジティブ・ネガティブ感情尺度、SCS-J:セルフコンパッション尺度、SWLS:幸福度尺度とし、介入開始時、介入終了時、介入終了後1か月後の4回測定した。その結果、介入群ではアンケートの回答では、介入開始時、介入終了時、介入終了後1か月後では、介入終了時に幸福度の向上、抑うつ気分の低下がみられた。一方で介入終了1か月後では、幸福度は低下、抑うつ気分の上昇が見られたため、プログラムを継続して習慣的に実施していく方策を検討していく必要があると考えられた。またコントロール群の脱落率が高いため、さらに方法を検討していく必要があると考えられた。
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