研究課題/領域番号 |
20K11027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
金子 典代 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50335585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | トランスジェンダー / LGBTQ / 性別違和 / 医療アクセス / 援助希求行動 / ゲイバイセクシュアル男性 / メンタルヘルス / ホルモン治療 / GID / セクシャルヘルス / 性的少数者 / LGBT / スティグマ / 性感染症 / 医療 / アクセス |
研究開始時の研究の概要 |
HIV感染症をはじめとする性感染症は、性的少数者において著しく高率に発生しているが、彼らの予防サービスや医療へのアクセスは異性愛者より悪い。本研究では、1)性的少数者における性感染症予防サービス利用や医療へのアクセスの実態と阻害要因、2)性感染症予防施策の立案を担う保健師等、行政職における性的少数者特有の性感染症のリスクや必要となる配慮への理解度、性的少数者に配慮した施策の実施度と阻害要因に焦点を当てる。性的少数者への調査と保健師等行政職双方への調査により、性的少数者の性感染症予防や医療へのアクセスの阻害要因と施策立案における課題を明らかにする。
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研究成果の概要 |
トランスジェンダー当事者の医療アクセスに関する調査では484件の回答を得た。48%の対象者が体調不良時に医療の利用をためらった経験を有していた。また医療現場でトランスジェンダーであることゆえに様々な被差別体験を受けており、その後の医療アクセスを阻害していることが示された。 ゲイバイセクシュアル男性を対象とした調査では、22.8%が精神的な支えのために助けを求めた経験があり、その経験は、自分の性的指向を自覚した時点でゲイバイセクシュアルの友人がいたこと、自分の性的指向をはっきりと自覚するまで1年未満であったこと、家族に自分の性的指向をカミングアウトした経験が関連していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランスジェンダー/性別違和当事者における医療アクセスに焦点を当てた国内の実態調査は非常に限られている。400件を超す当事者からの回答を得て、体調不良時に医療サービスの利用を諦めた経験が48%に上ることを示した。また当事者がより医療を使いやすくなるよう、医療従事者、医療現場に望むことも示すことが可能となった。結果は冊子にもまとめ、様々な医療保健従事者対象の研修会で活用している。 また、ゲイバイセクシュアル男性が、自身の性的指向を自認した時期に、セクシャリティに関する心配事についての援助希求行動の実態も示し、必要な対策についての提言につなげることが可能となった。
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