研究課題/領域番号 |
20K11183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 忠雄 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90567017)
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研究分担者 |
曽根 三千彦 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30273238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 人工内耳 / 聴覚検査 / 両側装用 / 聴覚 |
研究開始時の研究の概要 |
成人の人工内耳両側装用は2017年に人工内耳適応基準が改定になったことを受け増加傾向にあるが、その実際の効果についてはまだ明らかとなっていない。人工内耳機器にも現状では健聴者の聴覚能と比較して限界があるのも事実である。 本研究では、高度から重度の感音難聴患者が人工内耳を両側に装用することによって生じる潜在的効果および表情認識によって読話能力が評価可能であるかどうかについて検討を行う。両側装用のさらなる利点、欠点を明らかにすることで人工内耳の機器選択、プログラムの開発、リハビリテーションの技術向上に貢献すると考えられる。
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研究成果の概要 |
装用後6ヵ月以上経過した逐次両側人工内耳手術例での両耳装用時と片耳装用時の比較では、両耳装用時にはSRTが良好な成績が得られたが、1側目の方がわずかに良い傾向が見られた。SRM(刺激音が正面で雑音が横から来る条件下での聴力評価)においては、雑音の方向による違いはみられなかった。しかし、インタラクティブ空間的聴取検査では、両耳装用下では最小角度の弁別能力が高かった。両耳装用による加算効果やスケルチ効果が見られたが、SRMについては限定的な効果が示唆された。これは、雑音の影響が聴力に与える影響が重要であり、良聴耳への雑音の影響が少ない環境が良いという新たな知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
両耳聴効果とされる両耳加算効果、頭部遮蔽効果、両耳スケルチ、方向感などについいて人工内耳の両側装用の効果が得られる傾向にあった。新たな知見として両側人工内耳装用下では、雑音の方向を変えて比較した検査では効果が限定的である可能性が示唆された。これは人工内耳装用者の言葉の聞き取りは音の到来方向の差よりも良聴耳への雑音の有無が重要であり、ターゲット音の聞き取りには良聴耳に雑音が少ない環境が良いのではないかと考えられた。良聴耳、不良聴耳が存在する場合、リハビリテーションの方法を雑音下の聞き取りにより重点を置いた内容が必要と考えられ、今後の人工内耳リハビリテーションの取り組みに活かされると考えられた。
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