研究課題/領域番号 |
20K11184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
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研究分担者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
田中 貴子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00612409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 間質性肺疾患 / 咳嗽 / 運動能力 / 健康関連生活の質 / 理学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
咳嗽は間質性肺疾患の主要な症状であり,鎮咳剤の効果が限定的な難治性の慢性咳嗽を特徴とし,患者の日常生活を著しく制限する。本疾患における咳嗽の機序は不明な点が多いが,昨今,難治性咳嗽を呈する患者では中枢神経系の関与が明らかとなり,行動変容や自己管理を中心とする非薬物療法が有用な手段として期待されている。本研究は,難治性咳嗽患者で有効性が示されている咳嗽抑制理学療法(cough suppression physiotherapy,CSP)プログラムを間質性肺疾患患者に適用し,咳嗽症状を軽減する手段となり得るか,その効果を検証するものである。
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研究実績の概要 |
咳嗽は間質性肺疾患(ILD)の主要な症状であり,鎮咳剤の効果が限定的な難治性の慢性咳嗽を特徴とし,患者の日常生活を著しく制限している。本疾患における咳嗽の機序は不明な点が多いことに加えて,咳嗽症状の有無および程度と患者の呼吸機能や重症度との関連性,身体活動や日常生活,さらに健康状態に及ぼす影響も明確に示されていない現状にある。本研究では,ILD患者の咳嗽症状に関してその臨床的特徴を明らかにするとともに,難治性咳嗽患者で有効性が示されている咳嗽抑制理学療法プログラムを同患者に適用し,咳嗽症状を軽減する手段となり得るか,その効果を検証することである。 本研究課題について,令和4年度はこれまでに集積したILD患者156例における咳嗽の臨床的特徴と日常生活,運動能力および健康関連生活の質(QOL)との関連性について検討するとともに,咳嗽抑制理学療法プログラムの効果検証に関する介入研究の準備を進めてきた。咳嗽の臨床的特徴に関する臨床研究では,咳嗽重症度(visual analogue scale,咳VAS),咳嗽特異的QOL(Leicester Cough Questionnaire,LCQ)ならびに簡易健康状態質問票(King's Brief ILD,K-BILD)とともに,呼吸機能,呼吸困難,日常生活活動,運動耐容能を評価した。その結果,咳VASとLCQに有意な相関系を認めるとともに,呼吸機能,運動耐容能ならびにK-BILDと有意に関連することが明らかとなった。介入研究の準備に関しては,患者指導用の教材は概ね完成しており,解説付きのスライドならびに動画としてタブレット端末で閲覧できるよう準備を進めている。また,スタッフ用の指導用資料(マニュアル)も簡易版としてほぼ完成しており,最終調整を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画の最初の段階である「間質性肺疾患患者における咳嗽の臨床的特徴」を把握するための観察研究は,ほぼ完了できたが,介入研究の準備と実施が遅れている。新型コロナウイルスによる感染拡大の影響で,研究協力施設との調整や実施可能性に関して情報共有を図るにとどまっていることが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の調査研究をまとめるとともに,引き続き「咳嗽抑制理学療法プログラムの効果の検証」の準備と,研究協力施設との協議を引き続き進めていく。プログラムの内容の調整,ならびに担当スタッフ向けのマニュアルを完成させ,研究に着手する。 また,関連学会に参加し,昨年度まで実施した調査研究の成果発表を行う予定である。今年度は新型コロナウイルスの感染による影響が少ないことが予想されるため,積極的に研究を進展させる予定である。
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