研究課題/領域番号 |
20K11229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
大内田 裕 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80510578)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 運動の不器用さ / 発達障害 / 身体特異性注意 / 身体図式 / 近い手効果 / 不器用さ / 内部モデル / 自己身体認知 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの発達障害児では,認知・精神機能の障害とともに,運動の不器用さが認められる. この運動の不器用さは,幅広い身体機能で認められることからも,脳内の自己身体モデルに問題があることが示唆されてきた.しかし,この運動の不器用さは不明な点が多く,さらに,他の症状に与える影響も明らかではない.申請者は,この自己身体モデルの定量的評価の研究をおこない,身体特異性注意という潜在的に身体に向けられる注意が自己身体モデルを反映していることを見出した.そこで,発達障害児において,身体特異性注意と運動の不器用さや他の障害との関連性を調べ,発達障害における脳内身体モデルの果たす役割を明らかにすることを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究は、発達障害や知的障害において高率で併発する運動の不器用さがどのようなメカニズムで生じているのかを明らかにするために行った。運動の不器用さというのが、思い通りに身体を動かせない状態ととらえて脳の中の自己身体像が正確な実際の身体を反映していないと考えた。そこで、すでに我々が取り組んできた脳内の自己身体像を反映する身体特異性注意に着目して、不器用さのある発達・知的障害児に対して身体特異性注意を計測した結果、個人差が大きく、全体としての傾向を捉えることは難しかったが、軽度の児童では身体特異性注意の低下を示す傾向が認められた。幅広く発達・知的障害児に適応するためには、課題の改良が必要であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発達障害にみられる運動の不器用さは、ADHD、ASD、LDなどと非常に高率で併発する。また、運動の不器用さは、比較的発達の早い段階から見ることが出来る症状であることから、発達段階早期から発達障害を検出するための重要な手がかりとなる。運動の不器用さのある児童は、日常生活において他の児童が出来ている作業をすることが出来ないことを多々経験する。そのため、自己効率感において低い子どもが多く、二次的に精神・情緒障害を引き起こす可能性もある。これらのことから、運動の不器用さが脳内の身体表現と関係している傾向が示唆されたことは、発達障害の早期検出と二次的障害の予防に貢献することが出来ると考えられる。
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